2021年3月16日火曜日

第2611話 予定になかった盲腸線

青山通りと外苑東通りの交差点で迷っていた。

メトロに乗ろうか、それともこのまま歩こうか・・・。

あゝ、渚ゆう子の「さいはて慕情」が流れて来たヨ。

 

♪   夜汽車にのろうか このまま歩こうか

  あなたのいない さいはての街  ♪

  

結局、階段を降りて半蔵門線のホームへ。

渋谷方面に戻っては何をやってるのか判らんから

押上行きに乗り込んだ。

水天宮前か清澄白河あたりまで行こう。

と、考えたものの、何だか億劫になってきた。

ヤサに戻る、あるいは近所でお茶を濁すか―。

大手町で千代田線に乗り換えよう。

 

入線してきたのは北綾瀬行きである。

フム、北綾瀬か・・・綾瀬からひと駅の盲腸線で

駅の開業は1979年と比較的新しい。

ひと月半前に丸ノ内線の盲腸線沿いに歩き、

中野富士見町で昼めしを食べた。

かの地には中野検車区があり、此処には綾瀬検車区がある。

検車区は車両基地のことで盲腸線の一因がこれだ。

 

以前、環七を歩いて駅前を素通りしたが

ほとんど未踏の町・北綾瀬。

せっかくダイレクトで行けるんだ、行ったろやないかい。

偶然とはいえ、俄然やる気になった。

 

駅の周りにこれといった店が見つからない。

駅に隣接する、しょうぶ沼公園を散策して

幹線道路の川の手通りに出た。

荒川区と台東区が道路の名称をめぐって

すったもんだの末に生まれたワケありストリートだ。

 

右手に「ラーメンロッジ」、左手に「ラーメンパンダ」、

どちらもデッカい幟(のぼり)がこれ見よがし。

郊外にありがちな駐車場完備の大箱店さながらだ。

普段、まず入らない形態ながらラーメン食うわけじゃなし、

ガスの補給が出来りゃいい、右の「ロッジ」に向かった。

 

確かに外観も内装もロッジ風である。

ドライの中瓶を発注し、メニューをチェック。

立山、最上川、北上川などと名付けられた、

定食セットを目にしていると

ホントにロッジで飲んでる気分がしてきた。

 

ややっ、うれしいねェ、小皿料理もたくさんあるヨ。

エビチリ、酢豚、レバニラの3点が最終候補。

エビチリはデキ・不デキの差が激しいし、

酢豚はあの甘酸っぱさがずっと続くしなァ。

消去法でレバニラ炒めを通す。

 

すると、豚レバ柔らかく、スジの除去もていねい。

モヤシばかりの店が目立つなか、ニラもしっかり。

小皿にしてはボリュームも相当あった。

中瓶をお替わりしてリラックスする冬の夕暮れ。

心変わりが功を奏した盲腸線だが

われながら、つくづく気まぐれなヤツよのぉ。

 

「ラーメンロッジ」

 東京都足立区綾瀬7-23-8

 03-3629-3333