2021年5月7日金曜日

第2649話 緊事宣下のオムライス

日暮里から京成本線に乗って堀切菖蒲園に着いた。

今日は此処から新小岩まで葛飾区をほぼ縦断するつもり。

例によってさっそく腹ごしらえである。

 

目星をつけておいたのは「中華料理タカノ」。

赤地に黒字の暖簾をくぐった。

「タカノ」を名乗る町中華は都内、それも豊島区・椎名町、

足立区・竹ノ塚など、郊外に散在している。

 

J.C.が過去に利用したのは杉並区・新高円寺。

雑誌の取材でフードライターのS子チャンと

高円寺門前の「七面鳥」に続いて訪れた。

町中華をハシゴしたのだ。

 

「タカノ」は暖簾分けの独立採算と推測されるが

新高円寺が源流という印象を受ける。

調査してないから断言はできないけどネ。

 

普段注文しないものに挑戦したいと思い、

清水の舞台から飛び降りたつもりでオムライスを―。

べつにビールが飲めないからって

ヤケを起こしたワケではない。

とにかく途中で飽きて匙ならぬ、

スプーンを投げ出すのだけは避けようと心に決めた。

 

ランチタイムのピークとあって、けっこうな混み具合。

厨房に店主と補佐のアンちゃん、

フロアは小柄なオネエさんが独りで受け持つ。

こいつは時間がかかると思いきや、

わりとすんなり清湯を従えてオムライスが登場した。

 

薄焼き玉子がケチャップライスをきれいに包み、

真ん中に多めのケチャップがワン・スクープ。

具の豚肉と玉ねぎはザク切りに近く、

見た目は豚生姜焼きをライスに混ぜ込んだかのようだ。

 

頑張った。

いつも頑張るが今日はいつも以上に頑張った。

パンチの利いた清湯の助けを借りて何とか完食。

自分で自分をほめてやりたい。

 

残りの人生で二度と頼まぬオムライス。

そりゃグループで出かけ、

分け合う機会はめぐってこようが

そんな日はいつ到来するのだろう。

あと半年か、一年か・・・

 

フロアとレジを独りでこなすオネエさんに

800円を支払ってオモテに出ると、

青空に白い雲がポッカリ浮かぶいい天気。

新小岩までかなりの道のりながら

意に介せず、平和橋通りを南に歩いていきました。

 

「中華料理タカノ 堀切店」

 東京都葛飾区5-3-2

 03-3690-0945