2021年5月12日水曜日

第2652話 バカボン育てた洋食屋

訪れる機会があまりない新宿区・中井に

漫画家・赤塚不二夫が行きつけた店があると聞き、

出かける気になった。

 

彼の作品では小中学生時代に親しんだ「おそ松くん」が

もっとも印象に残っている。

「天才バカボン」と「もーれつア太郎」のスタート時は

すでに高校生、ギャグ漫画と疎遠になりつつあった。

登場するキャラクターでは

脇役のケムンパスとココロのボスが好きだ。

 

使いやすいメトロ東西線・落合駅から歩く。

妙正寺川の大正橋を渡り、

西武新宿線の踏切を越えて「ぺいざん」に到着。

縦の線が長いL字形カウンターだけの小体な店だ。

3席ある底辺の真ん中に座った。

メニューブックを開くとバカボンのパパが叫んでいる。

 

“わしはここのとんかつをたべて大きくなったのだ”

 

ところが大きくなった赤塚センセイが

よく食べたのはとんかつではない。

いちおしセット(800円)と称する

和風おろしハンバーグ&豚ヒレ肉串カツの盛合せだった。

 

ほかにも料理2品のコンビネーションが多彩。

客の好みで2種択べるカスタムメイドもある。

ここはやはりセンセイと同じものを食べてみたい。

 

おろしを載せたハンバーグが大きい。

醤油ベースのタレは別添え。

串カツもけっこうなサイズでこちらはデミグラス。

コーンと枝豆を散らしたキャベ千が脇に―。

 

豆腐・わかめの味噌汁は他店の1.5倍。

真っ緑のキューちゃん風漬物も小皿いっぱい。

ライスはほとんど大盛りだ。

しっかしセンセイ、こんなん晩年まで平らげてたんかな?

ハッキリ言って学生・リーマン向けのボリューム。

J.C.オジさんにゃ多すぎるのココロ!

 

中井の町を散策後、妙正寺川沿いを下って下落合へ。

駅周辺に飲食店がほとんどない。

コンビニが1軒だけあり、

その前にせせらぎの里公苑が広がっていた。

下水処理施設の上に造られた公園だから

地下で下水がせせらいでいるんかいな。

 

コンビニでアサヒの新製品、

ドライ・ザ・クールを1缶買って入苑。

水辺のベンチに腰かけてプシュッ。

うん、うん、本当にドライだ。

でもスーパードライくらいが一番好きだネ。

 

ともあれ、J.C.にとって

せせらぎの里はやすらぎの里でありました。

 

「洋食の店 ぺいざん」

 東京都新宿区中落合1-13-3

 03-3950-6008