2021年5月14日金曜日

第2654話 南洋生まれと北海育ち

コロ助のせいで非日常的な食生活を強いられている。

だからといってホットケーキを食わなくてもなァ。

 

神保町から水道橋、本郷と抜け、湯島にやって来た。

自宅で切れているサントリー知多を業務スーパーで調達。

もちろん缶ビールも忘れずに―。

今日はドライのロング缶(500ml)にした。

 

不忍池のほとりを一めぐり。

水鳥は北へ帰り、蓮池にコサギのつがいを見とめるばかり。

それもたった1組のさびしさ。

ボート池を臨むベンチにてプシュッのトクトク。

飲みながら夜のメニューを考える。

 

前日仕込んだホウボウの昆布〆が冷蔵庫に眠っている。

ロシア産たら子も解凍済みだ。

野菜を補うため、ラディッキオとアーリィレッド、

紫&紫のサラダにプチトマトでも散らそうか―。

 

メインには残っているフィリピンマンゴーに登場願おう。

どうしてフルーツが主役なんだ? ってか?

実は秘策があり申す。

冷製パスタをたくらんでおりやした。

 

使うのは最細のカッペリーニ。

以前、どこだったかな?

白桃の冷たいカッペリーニを食べた。

そこから生まれた発想だ。

ではマンゴーに何を合わせるか? 

 

前回みたいに生ハムでは芸がない。

サーモンもそのとき一緒に食した。

取りあえず魚貝でいこう。

白身じゃホウボウとかぶるしなァ。

蟹はお高いし、思いついたのは甘海老だった。

 

よみせ通りのスーパーに寄ると影も形もない。

谷中銀座の鮮魚店に回ったら

甘海老の代わりに北海縞海老があったヨ。

この二つに牡丹海老を加えれば、

北の海から揚がる海老御三家となり、

しかもマイベストが北海縞海老だ。

 

エクストラヴァージンに白バルサミコ、

岩塩・白胡椒・レモン汁をボウルでかくはんし、

ブツに切った縞海老とそのミソを投入。

2分茹でたカッペリーニを冷水で締めて絡め、皿に盛る。

マンゴーのスライスを並べ、ディルを散らし、

真ん中にイエルバ・ブエナ(キューバミント)を

一葉飾って出来上がり。

 

知多ハイのグラス片手にボナ・ペティート!

南洋生まれのトロピカルフルーツと

北海が育んだシェルフィッシュが

コロ助禍の東京で一皿に会する景色。

 

オッティモ(とても美味しい)とはいかないまでも

ブオーノ(そこそこ旨い)ではありました。