2022年11月3日木曜日

第3138話 「池上線」の現場検証 (その3)

久が原の隣り駅は千鳥町。
池上はそのまた隣りだ。
ヨソ者がまず行くことのない千鳥町。
人通りまばらにして、店舗も少ない駅周りに
2軒のそば屋と1軒の食堂があった。

”エビスビールあります”
札が下がるそば屋を避けて「更科 広栄」へ。
更科は好きなタイプだが14時過ぎではダメかも?
懸念したものの、滑り込みセーフ。

ドライの中瓶でわが身を元気づけていると
枝豆のサービス。
これだけで2本は飲めるが、そうもいかない。
品書きをチェック。

豆あじの唐揚げにしようかな?
いや、10尾も来られたら持て余す。
結局、そば少なめでもりをお願い。
それでも池之端の行きつけと同程度の量だ。
さっきの小さいラーメンの倍はある。」

薬味はさらし葱と粉わさび。
徳利で来たつゆに好感度が上がる。
近頃は猪口だけというのが一般的だからネ。
しかもこのスタイルならそば湯が飲みやすい。

中細のそばにコシあり。
あまり色白じゃないが更科系ではある。
甘みが勝ったつゆに
一瞬、おや? と思ったけれど
そばをたっぷり浸して本領発揮。
やせ我慢の江戸っ子には出来ない作法だがネ。

そば湯を味わいつつ、壁の品書きをながめる。
ひときわ映える短冊は
 麦きり 700円
うどんと呼ばないところに粋を感じた。

ユニークなのは天ぷらそば・天丼が並んでいても
海老の文字がいっさい見当たらないこと。
代わりにイカ天丼・イカ天そば・イカ天とじなど
イカものが幅を効かせるのはイカがなものか?
まっ、海老を省いても
天丼は海老天丼に決まってるがネ。

さらにもうひと駅歩いて池上に到着。
「池上線」の恋人たち(最後の日)とは逆に
踏切りから駅に向けて商店街を往く。

五反田行きの電車で帰った彼とは異なり、
J.C.は駅前で上池上循環バスに乗った。
馬込・大森両駅を経由するので
どちらかで途中下車するつもり。
開いてる店の数を考慮したら
大森でしょうネ、おそらく。

=おしまい=

「更科 広栄」
 東京都大田区千鳥町1-16-1
 03-3751-1165