2022年11月8日火曜日

第3141話 ガード下の北海道 (その1)

この日は内房から来る盟友・N田クンと昼飲み。
舞台は御徒町ガード下の「マルハ酒場」である。
正式名は「北海道マルハ酒場 御徒町二号店」と
ヤケにやっかいだどう! 

約束の15時に到着すると奴サン。
当店唯一の窓辺のカップル席で
優雅に生ビールを飲んでやがんの。
この卓はオッサンにふさわしくない。
しかも狭くて料理が並ばない。
即移動してジョッキをガッチンコ。
生は当然、サッポロ黒ラベルだ。

本日のオススメに道産魚・八角があった。
これは抑えておく。
刺身かと思いきや店長曰く、塩焼き丸一本とのこと。
いいでしょう、いただきますとも。 
こういう貴重なモノは
うかうかしてると売切れの憂き目を見るからネ。 

実に好かった、いや、素晴らしく良かった。
脂がじゅうぶんのっているのにクドさがない。
同郷のホッケに似ていても微妙に異なる。
ふくよかな包容力がホッケの長所なら、
鋭いキレ味が八角の魅力だ。

好きな女優に例えれば、
ホッケが太地喜和子で八角は加賀まりこ。 
奇しくも二人は同い年。
ん? サンドのトミーじゃないけれど、
ちょっと何言ってるか判らない、ってか? 
ですよねェ。
無視なすって先にお進み下され。

厚岸湾から揚がった真がき、
ナガえもんをレモンだけでお願い。
ちょいとデカいけど、コイツも旨いや。

話題はN田家の愛犬・小夏と4匹の仔猫たち。
彼らにはこの夏、おジャマしたときに会っている。
けっこう熱く語り合った。
動物の話で盛り上がるんだから
われわれはやさしいオジさんたちなんだねェ。

相方はとっくに日本酒に切り替えているが
ここで当方も追随に及ぶ。
道産銘酒が居並ぶ中、すでに2杯飲み比べて
大雪の蔵より良いと相方が言った、
国稀の冷たいのを所望した。
ふむ、いいんでないかい。

=つづく=