2022年11月18日金曜日

第3149話 鶴は舞いおりた

「ますらお」は15時オープンと思い込んでいた。
勘違いもはなはだしい。
 勘違い こたつで母の 手をにぎり
ってネ。

さいわい錦糸町のターゲットは15時オープン。
門仲に見切りをつけた。
深川不動のそばに錦糸町行きのバスが待機しており、
これまたさいわい乗り込んだ。

ブレイクルーム「vivo daily stand」はしばらくぶり。
独りで取り仕切るバーテンダレス、
山チャンが相変わらず元気いっぱいだ。
独楽ねずみよろしく動き回る。
明るい性格で固定客をガッチリつかんで離さない。

彼女に紹介された先客はM野サン。
ほどなく来店したのはC野サン。
これで3匹のオッサンが出揃った。
山チャン曰く、
「今日は平均年齢が高いわ」
ほっとけや。

そこへ毎日通うK太クン現る。
daily stand だけに daily customer は貴重だ。
彼のおかげで店内の平均年齢はだいぶ下がった。
ただ血圧降下剤の効果はあったが引き続き男ばっかり。
止まり木に4羽のカラスが並ぶ殺風景。

黒ラベルの生を2杯飲んだあと
スペインの赤を抜いてもらう。
ABAIはスパニッシュには珍しいメルロー。
この品種に傑作はまれながら逆にハズレも少ない。

スペインつながりでマンチェゴを所望すると
今日のチーズはフレンチのブリーとコンテ。
よりハードなコンテを選択。
当店の客は初対面でもすぐに打ち解けて
言葉を交わし始める。
山チャンの客あしらいが巧みなんだネ。

帰ったM野サンと入れ替わりに妙齢の女性現る。
面立ち、身のこなし、
ともによろしき一羽の白鶴が舞いおりたのだ。
反応したカラスがザワつく水曜日。
さかなクンじゃないけれど
カラスたちはギョギョッ!
目をむいたのでギョざいます。

鶴のおかげで滞空時間が大幅に予定オーバー。
ワインボトルが空いてもビールに逆戻り。
ちょいと飲み過ぎた。

帰巣してゆく鶴の羽ばたきを見届けて
こちらは止まり木に舞い戻る、パタパタ。
いや、だいぶ飲み過ぎた。

ようやく腰を浮かせた一羽のカラス。
夜の街をフラフラ、ヨロヨロ千鳥足。
錦糸”鳥”駅に向かいましたとサ。
やれやれ。

「vivo daily stand 錦糸町店」
 東京都墨田区江東橋4-21-6
 03-6240-2101