2022年11月28日月曜日

第3155話 氷雨と俺とはどうにもモグラ (その2)

千代田線直結のサンホップ町屋地下、
「ときわ」で飲んでいる。
前話のマクラに案の定、
浪花の小姑から物言いがついた。

朝から軍歌はないやろ!
「世界にひとつだけの花」とかにしとけ!
まっ、ふりゃふうだ。
朝っぱらから神風特攻隊は不味いわな。
取り直しの一番ともいかず、ここはスルー。

はまぐりは小粒ながら6個もあった。
レモンスライスに
パセポン(パセリ微塵切り)が好アシスト。
よい出汁の出たスープまで飲み干す。

小いわし酢漬け(250円)を追加。
カタクチイワシはいいが
黒胡麻・生姜・粉わさの脇役は思惑外れ。
好みじゃないけど、悪くはなかった。

周りでは日替わり定食が一番人気。
本日はかれい塩焼き、玉子焼き、昆布佃煮、
味噌汁、新香にフルーツまで付いて600円。
なんでんかんでん東京電まで値上がりするご時世、
どうやって利益を出すのやら?

飲んでる客も少なくない。
あっちゃこっちゃの卓に大瓶が屹立している。
仲間が多いと心強いねェ。
この平和でのどかな空間を
シェアしましょうや、ご同輩。

大瓶とバラカツ皿(570 円)を追注した
こいつがまた立派な一皿で
厚みのあるカツの存在感が際立つ。
バラといえども脂身ほどよく、
玉ねぎと溶き玉子になじんでる。
会計は2620円也、満足。

地上から改札階に降りてくる、
乗客の傘が濡れている。
これじゃ外歩きはムリ、このまま帰ろう。

千駄木の階段を上がると、
降り続く雨はやむ気配すらない。

♪   外は冬の雨 まだやまぬ
  この胸を 濡らすように
  傘がないわけじゃ ないけれど
  帰りたくない
  もっと酔うほどに 飲んであの人を
  忘れたいから       ♪
   (作詞:とまりれん)

「氷雨」は今上天皇のカラオケにおける、
持ち歌ってご存じでしたか?

「ときわ」
 東京都荒川区荒川7-50-9サンポップ町屋B1
 03-3809-2335