2023年6月22日木曜日

第3302話 上海帰りのラン (その2)

その翌々日。
「豫園飯店」に再び、
J.C.オカザワの姿を見ることができた。
ん? ベツに見たくもない、ってか?
そういう方はどうぞ無視なすって先にお進み下され。

この日は八宝菜で半ライスをいただいた。
ビールは中瓶を2本。
以来、週に二度のペースで訪れ、
当店はJ.C.にとって
飛鳥山のブレイクルームとなりました。

ドーンとした料理は避けつつも
いろんなモノを試した。
その結果、イチ推しは焼餃子&肉シュウマイ。
どちらも花マルである。

店のスタッフと連絡先を交換することなど
まずないのだが彼女は違った。
名を香蘭という。
山口淑子こと、李香蘭と同じだ。
中国読みがシャンランなので
ランちゃんと呼んでいる。

彼女の母上が亡くなられた。
中国には日本の四十九日ならぬ、
六十四日というのがあるそうで
しばらく離日を余儀なくされた。

ある日、今週末に帰るので来週から店に出る。
電話が入り、その来週にさっそく出向いた。
やつれるでもなく元気な顔を見ることができた。

♪   船を見つめていた
  ハマのキャバレーにいた
  風の噂は リル
  上海帰りの リル リル ♪
  (作詞:東条寿三郎)

そこには上海帰りのリルならぬ、ランがいた。
13時を回っても立て混んでおり、
宴会兼相席用の大テーブルに着く。
いつものようにビールとシュウマイを通す。

一しきりしてやって来たランと
あれこれ言葉を交わしていたら
単身の男性客が目の前に着卓。
この日はかなり暑く、汗びっしょりだ。
生ビールをゴクゴク飲りだした。

=つづく=