2023年6月26日月曜日

第3304話 蟹のパスタと冷たいコンソメ (その1)

この日の相方は
飲む・打つ・買うと三拍子揃った、
もとい、もとい、飲む・食う・歌うの三拍子。
天下無敵のさんともことO戸サンだ。

待ち合わせたのは
西武新宿線・上石神井のビストロ「デザミ」。
練馬区にしてはなかなかオサレな店構えである。
黒ラベルの中瓶を
ヤケに大きなグラスに注ぎ合ってカチン。

シンプルきわまりないメニューを手に取った。
内容はかくの如し。

■前菜
 ① 蟹とショートパスタのサラダ仕立て
 ② トウモロコシのババロアとコンソメゼリー
 ③ ラタトゥイユ・温泉玉子・生ハム取合わせ
 ④ 豚肉とレバーの田舎風パテ

■主菜
 ① 鴨むね肉のロースト・グリーンペッパーソース
 ② 帆立貝柱のポワレ・オリエンタルソース
 ③ 牛ハラミのポワレ・グリーンペッパーソース

吟味の末に二人が択んだのは
前菜が①と②、主菜も①と②だ。
互いの好みが一致して即断即決と相成った。

蟹はおそらくずわい蟹。
パスタは米粒状のリゾーニ。
舌ざわりがとてもやさしく、
これはグッド・コンビネーション。
いや、ビーチ・ボーイズじゃないけれど、
ほとんどグッド・バイブレーション。

J.C.はこういう前菜が大好き。
主菜並みの迫力で迫りくる第一皿は
御免こうむりたい。

とうもろこしのババロアとコンソメゼリーも
負けず劣らずの繊細なタッチ。
ババロアとゼリーはデセールをイメージさせるが
どうしてどうしてオードブルの一品として
完成度が高い。

業界ではではコンソメゼリーではなく、
コールドコンソメと呼ばれることが多い。
牛骨をジックリ煮出して作られるため、
溶けだしたゼラチン質が冷えて固まり、
ゼリーとなるのだ。

この料理を目にすると、
J.C.はいつも一人の人物を思い浮かべる。

=つづく=