2024年3月20日水曜日

第3496話 続いてもぐった 新橋駅前ビル

トーシンビルを出たら目の前にJR信濃町駅。
新宿辺りに流れようか?
いや、天気もいいことだし、少し歩こう。
外苑東通りをテクテク行った。
差し掛かった明治記念館は
今世紀初頭、何度も利用した。

もっぱら夏季限定のビヤガーデンだけどネ。
往時、此処にはタヌキの母子が居て
閉園間際になるとテーブル脇の生垣から
ちょこちょこ顔を出すんだ。
鳥の唐揚げなんかを投げてやると、
ナイス・キャッチ、歓んで食べる。

記念館に保護されて、どこぞのお山。
ゲンコツ山かな? とにかく送り返されたが
父親はとうとう見つからなかったそうだ。
火のない所に煙りは立たぬ、
父のない所に子どもは出来ぬ。
不思議なことがあるもんだねェ。

権田原の交差点を過ぎて青山一丁目。
折よく品川行きのバスが来て乗り込んだ。
下車したのは高輪の魚籃坂下。
魚籃坂を上り、伊皿子坂を下り、
四十七士の眠る泉岳寺に通りすがる。
一礼しても境内には足を踏み入れず、
都営浅草線で新橋に移動した。

今度は地下鉄新橋駅と
地下でつながる駅前ビルにもぐった。
「立ち呑み処 へそ」を思い出したのだ。
黒ラベルの中ジョッキをお願いし、
先日、「ニュー浅草」で食べるつもりが
メカジキ刺身に浮気しちまった馬刺しを所望。
当店は熊本産の赤身である。

うむ、前回と比べたら、ちと落ちるな。
けして不味いワケじゃないけれど、
前回が好過ぎたのかもしれないネ。
それでもジョッキをお替りして食了。

何処かで軽くもう1杯かな?
メトロ銀座線で上野広小路に向かう。
行きつけ店「味の笛」でドライの生と参ろう。
その前に松坂屋の地下にもぐる。
今日は天気が好いのに何だか地下ばっかり。
土竜(もぐら)になった気分だ。 

鮮魚売り場で見つけたのは背子蟹。
いわゆるズワイのメスである。
キレイに取り出された身肉が
キッチリ甲羅に納まっている。

蟹座生まれの蟹好きJ.C.、
看過することとても能わず、
浮き浮きとイン・マイ・バスケットの末、
いそいそと家路についたのでありました。

「立呑み処へそ 新橋駅前店」
 東京都港区新橋2-20-15 
 新橋駅前ビルB1
 03-3289-9380