2024年6月7日金曜日

第3553話 痩せても枯れても桜海老

乗った池袋東口行きのバスはヒドい混雑。
こいつはアカンと、
巣鴨とげぬき地蔵入口で途中下車する。
地蔵通りに行きかけた足先を急遽変更。
巣鴨よりも出没率の低い大塚に向かった。

通りすがった巣鴨公園で脚が止まる。
園内の表示板に廃兵院跡とあった。
戦争によって身体に障害を負った兵士を
収容するのが廃兵院である。

日露戦争がもたらした傷病兵は13500人。
身寄りから救護を受けられない者を
収容する施設が廃兵院で
入院者は被服・煙草・菓子の支給を受け、
学術・刺繍・裁縫・彫刻・囲碁などを
修習しつつ、日々を送ったそうだ。

旧三業地を貫く三業地通りにやって来た。
14年ぶりに「小倉庵」の暖簾をくぐる。
近所にもう1軒「そば処 小倉庵」があり、
こちらも14年前に
かれいの煮付けで飲んだ記憶がある。
どう考えても無関係じゃなかろうが
詳細は判らない。

ビールはキリンラガー。
ん? ハマの弘明寺で飲んだのは
昔のラガーでキツかったがこれは飲みやすい。
昨年末に森下の洋食屋で飲んだのと一緒。
やはり同じラガーでも
東京と神奈川では製造が違うんだ。

つまみは三つ葉入り桜海老のかき揚げ。
450円と廉価なのに
サクサクっと美味いのなんのっ!
上等な釜揚げではなく、干し海老ながら
痩せても枯れても桜海老の端くれ、
恐れ入りやした、の逸品であった。

そば粉十割の生粉打ちと田舎はすでに売切れ。
通常のせいろを100円引きの小盛りでお願い。
ん? 旨いじゃないかー。
パスタのリングイネみたいにやや平打ちで
池之端の行きつけとはタイプが異なるが好きだ。
14年前も印象は好かったが、ここまでとはー。
小盛りを悔やんでもアフター・フェスティバル。

これにて日本そばの行きつけが3軒に増えた。
台東区・池之端「新ふじ」。
文京区・白山上「満寿美屋」。
豊島区・南大塚「小倉庵」。
一に「新ふじ」、二に「満寿美」、
三、四がなくて、五に「小倉庵」と来たもんだ。
ヘヘッ、たまりませんな。

「小倉庵」
 東京都豊島区南大塚1-42-8
 03-3941-8230