8時前に起床、今日の朝食は喫茶店に非ず。
京都駅まで歩き、JR奈良線で伏見稲荷大社へ。
第一の目的はお稲荷さんではなく参道にある、
1540年創業の「祢ざめ家」であった。
豊臣秀吉ゆかりの当店は
お気に召した太閤が屋号に
愛室・祢々の字を当てろと
云ったとか、云わなかったとかー。
10時の開店前に赴くとすでに
オバちゃまが一人店頭に待機していた。
早起きは三文の得、ではないけれど
「祢ざめ家」は朝めしに限る。
だからこその10時開店である。
大して食えもしないくせに
いろいろ食べたがるJ.C.、
絶好の献立は、ねねうなセット(2000円)。
うなぎ蒲焼きに小さいそば、
寿司3種(いなり・太巻き・さば寿司)が
すべて味わえる至福の盛合わせ。
それに名物の鶉(うずら)焼き(900円)と
スーパードライの中瓶をお願いした。
鶉は頭が付いている。
「頭からいっちゃってだいじょうぶですか?」
「ええ、いただけます」
女将に確かめてかぶりついた。
いえ、頭は最後に残してネ。
うむ、けっこうですな。
セットはノビないうちにそばからいただく。
中太のかけそばは京都なので
出汁がうどんのそれと同じ。
秀吉の時代にそばきりはまだなかろうが
なかなかでありました。
蒲焼きは小ぶりながらも香ばしく、
存分に満足のいくもの。
昆布の炊いたんが添えてあった。
いなり寿司の酢めしには
黒ごまとごぼうに麻の実が加わる。
実山椒よりやや小粒で、風味というより、
食感のアクセントだネ、これはー。
太巻きは玉子焼き・しいたけ・かんぴょう、
それに緑の野菜は壬生菜(みぶな)だろうか?
ていねいに巻かれて老舗感満載。
白眉はさば寿司。
「てしま」、「満寿形屋」と
連日食べて来たが「祢ざめ家」がベスト。
寿司たちはみな一つづつなので
中瓶とともにすかさず2カン追加したほどだ。
何がいいって第一は酢めしである。
酢・塩・砂糖の、文字通り塩梅が実にけっこう。
お勘定は5900円でありました。
ほとほと旨し。
=つづく=
「祢ざめ家」
京都府京都市伏見区深草稲荷御前町82-1
075-641-0802