2011年8月10日水曜日

第115話 この舌が忘れない

神保町の「東京堂書店」へ出掛けた。
書籍を買い求めに行ったんではなく、
石田千・浅生ハルミン御両人のトークショウを聴きに。

石田千サンといえば、
今期の芥川賞候補にもなった今をときめく女流作家。
彼女とは行きつけの店が一緒なので知らぬ仲ではない。
デートをしたことはないが会食はご一緒した。
まっ、その程度の関係である。

テンネン色の強い2人のトークは
3、40代の女性のツボをおさえて会場は終始笑いの渦。
こちらは話題になかなかついていけず置いてけ堀だ。
隣りの女性があまりにケラケラ笑い転げるので
どんなツラか見てやったら、視線が合って気まずい思いをした。

イベントのあとは、招いてくれた友人にお返しの馳走。
まだ17時半前なのに早めの夕食と相成った。
神保町の交差点から店を物色しつつ、白山通りを北上。
途中、奥野かるた店で足が止まり、道草を食う。
ここでは以前、麻雀牌を買った。
ついこの間、当ブログにも書いたが
軽井沢で覚えたゲームはブロッキーではなくブロックスと判明。
フランス生まれの世界的なヒット商品であったとは―。

水道橋駅にほど近い「海南鶏飯 水道橋本店」に上がる。
”入る”ではなく”上がる”としたのは店が2階だから。
海南島は未踏につき、本家の実情は存ぜぬけれど、
シンガポールで海南鶏飯は代表的な国民食である。
当地には4年もいたので何回食べたか数知れない。
ちょいとクセがあり、好きずきがあろうとも
慣れたらやみつきになること請け合いだ。

とり肉・とり飯・とり汁のセットが950円

この料理は上記3点、いずれが欠けても成り立たない。
3種のソースが添えられるのも決まりごと。
本場の味にはかなわぬものの、
この値段で手っ取り早く食べられるのは実にありがたい。

シンガポール風チキンカレー

これも好物であった。
ココナッツミルクが利いて、なかなかの仕上がりだ。
ライスがついてくるが、あえてロティ・プラタを追加する。

ロティ・プラタは油っ気多めのパンケーキ

インド由来のシンガポール名物がこれで
大の上にもう1つ大が付く好物であった。
カレーソースをちょこっと付け、主に朝食として食べるが
J.C.はコイツを週に1度はいただきましたネ。
ちゃんと朝のローテーションに組み入れてたモン。
したがって海南鶏飯よりずっとたくさん食べている。

いずれにせよ、彼の地で覚えた味は
この舌が明確に覚えており、忘れることはない。
10年前、都内に数えるほどだったシンガポール料理店。
こんなに増えるとは夢にも思わなかったが
うれしい誤算とはこのことでありますヨ。

「海南鶏飯 水道橋本店」
 東京都千代田区三崎町2-1-1
 03-3264-7218