2011年8月12日金曜日

第117話 川魚に目を見張る (その1)

7月末、さして暑くもない東京を脱出し、
毎年恒例となった北軽井沢へ。
避暑というより、飲んだり食ったり遊んだりが主な目的だ。
というか、それしかやらないのである。

徹夜明けで向かったものだから到着後は3時間ほど爆睡。
目を覚ますとBBQはほぼ終了して
焼き台には鳥のナンコツと玉ねぎだけがくすぶっていた。
いいでしょう、いいでしょう、起き抜けには軽いモンがよい。
しかも玉ねぎなんざ、甘みいっぱいでイケるのなんの。
行きがけの駄賃よろしく、別働隊が軽井沢の台所、
スーパー「TSURUYA」で調達してきたものだ。

BBQはともかくも旨いピクルスや奈良漬で
真っ昼間からビールとワインをしこたま飲む。
その後は酔っ払いが2人してヘボ将棋だ。
いったい何局指しただろうか、
夜の部のBBQそっちのけでひたすら指し続けた。
カルビやらツボ鯛やら焼き立てが駒台の脇に運ばれたが
飲み食いしながらの勝負事は麻雀以外に記憶がない。

晩の主食はチキンと小海老と夏野菜のカレーライス。
いろいろゴチャゴチャ入ったカレーは好みじゃないが
これはなかなかのデキであった。
ビタミンと食物繊維もじゅうぶん補給できたし、
アタマ(カレーのみ)をお替わりしたほどだ。

夜も更ける頃にやっと将棋を切上げ、
ほかのメンバーとの”飲み”に合流。
それもひとしきりしたら
今度はフランス生まれの家庭ゲーム、ブロックスだ。
そして仕上げは先刻まで
将棋を指していた仇敵のカミサンと花札のコイコイ。
夫婦の相手を別々に務めるのもラクではない。
終わったのが翌朝の4時で、これまたほとんど徹夜の巻。

年寄りが多いから朝が早く、早朝から朝食の団欒。
ときどき起こるバカ笑いが安眠を妨げることはなはだしい。
それでも布団をかぶって粘りに粘った。
結局、目覚めたときに朝食は終わっており、
みなさんそろそろ帰りじたくである。

帰り道くらいはあちこち寄ろうという決議案のもと、
まずはくだんの「TSURUYA」で新鮮な野菜の買出し。
店内は軽井沢の人々が全員集合したかのようで
まさしく満員御礼の大賑わいである。
東京のデパ地下やスーパーでは見掛けぬものが
安くて新鮮ときては、さもありなん。

素手で買い始めたら早くも両手がいっぱいになった。
あわてて入口に戻り、バスケットを下げて仕切り直しだ。
珍しモノは金時草・はくれい茸・
原種エノキ茸・サラダ春菊・カリブロッコリー、
お馴染みモノはトマト・いんげん・ネクタリン、
ずいぶん買い込んだ。

ものはついで、鮮魚・精肉コーナーを見回ると、
いやビックラこきました、養殖モノではあるが
サカナたちが元気、元気、ピチピチ跳ねるがごとくである。
ちゃんと観たことないけど、AKB48ってこんな風なのかな?

=つづく=