2011年8月23日火曜日

第124話 嘆きのホテルめし

1ヵ月半ほど前のこと。
机の引き出しから1枚のクーポン券が出てきた。
JALマイレッジバンクのクーポンは5千円の金券だった。
旅行でJALの直営ホテルに宿泊する際、
いくばくかをクーポンに換えており、使い残しが1枚あったらしい。
期限を見ると2011年7月いっぱいと、先があまりない。
舟木一夫のデビュー曲、「高校三年生」の文句じゃないが
♪  残り少ない 日数を胸に 
   夢がはばたく 遠い空 ♪ 
なのである。

5千円で宿泊はムリ。
せいぜいランチかバーでの使用とならざるをえない。
このためにわざわざお台場の「ホテル日航東京」へ出向くのは
本末転倒もいいところ、何をやっているのか判らない。
かといって芝浦や四谷の「JALシティ」じゃ失敗が見えている。

結局、消去法で出掛けて行ったのは「銀座日航ホテル」。
5、6年前、仕事の絡みで毎日銀座に足を運んだ頃は
メインダイニングの「メゾン・スレーヌ」を何度か利用した。
打合せの相手が呑み助ならば、
バー「BRICK」のカウンターや
ビヤホール「銀座ライオン」のテーブルに落ち着くが
相手が下戸の場合はここへ逃げ込んだのだ。
ただ、めしを食った覚えはほとんどない。
一度だけ牛フィレのステーキを付き合ったくらいかな。

知人と銀座でランチの機会に恵まれ、
というより、半ば強引に約束を取り付けて
赴いたのは7月下旬の日曜日は正午過ぎのこと。
日曜の西銀座、殊にホテルのあるクラブ街は人影まばらにして
裏路地に入ったら猫のほうが多いくらいだ。
平日でさえランチ営業を控える店が目立つエリアで
週末の、しかも日曜に開けているのは皆無に近い。

80席から100席ほどはあろうか、
店内はひっそりと静まり返っている。
それもそうだよ、ほかに客はゼロで接客係が1人だけだもの。
何かイヤな予感、あいや、予感どころかイヤな実感。

注文したのは珍しくも蟹ピラフ。
相方は海の幸のスパゲッティだ。

蟹缶中、最安の紅ズワイほぐし身入り

冷凍海老中、最安の東南アジア産超小海老入り

写真じゃよく判別がつかないが、
あまりの食材の貧しさに思わず天を仰いだ、もとい、天井を仰いだ。
いくら再建中とはいえ、一時は世界に進出したホテルグループでっせ。
しかもここはかりそめにも花の銀座の8丁目でっせ。
落ちぶれ果てても平手は武士じゃ、もとい、JALはJALじゃ、
散り際だけは自覚しておいてほしい。
往時のナショナルフラッグキャリアが生き恥をさらしちゃアカンやろ。
飛びながら食べさせるほうはともかく、
泊めて食べさせるほうは1日も早く全面撤退すべきであろう。

「メゾン・スレーヌ」
東京都中央区銀座8-4-21 銀座日航ホテル中2階
   03-3571-4911