2011年8月11日木曜日

第116話 この夜を忘れない

2011年8月10日、この夜を生涯忘れない。
いえ、昨夜のことですがな。
1967年10月7日、あの夜も生涯忘れない。
おっと、44年前のことですがね。
だしぬけに意味不明の書き出しで失礼サンにござんす。
何のことかといやあ、日韓戦のことざんす。
日韓戦といやあ、サッカーに決まってまさァ。
まっ、野球もあるけんど・・・。

昨夜、札幌で行われたキリンチャレンジカップ。
日本が3-0で韓国を撃破した。
生きてるうちにこんなに大きな夢がかなうなんて
長生きはするものである。
だって日韓戦に親善試合なんてありえないからネ。
この対戦はいつだって真剣勝負、
極東のダービーマッチと呼ぶにふさわしい。

あまりのうれしさに急遽、
本日用の原稿を差し替えることにした。
ただ今、11日の午前1時半。
試合中も終わったあとも、
ずっとビールを飲み続けたおかげで
冷蔵庫のビールがなくなっちゃった。
仕方ないから麦茶に切り替えた次第。

ところで1967年うんぬんって何だ! ってか?
そう問われる貴方は日本サッカー史に
いささかうといんじゃございませんか?

ところは雨のそぼ降る国立競技場。
メキシコ五輪出場を掛けて
日韓、天下分け目の合戦がこの日だ。
前半2-0の楽勝パターンが
後半に追いつかれ、3-3にされた挙句に
韓国の放ったシュートが
日本ゴールのクロスバーをたたきやがんの。
生きた心地がしないってのはああいうことを言う。

それにしても昨夜の日本はすばらしかった。
東京五輪のハンガリーVSモロッコ戦以来だから
サッカーを観始めて早や47年。
翌々年には関東大学リーグ、明治VS早稲田のの決勝戦、
全勝同士の対決にして杉山と釜本の激突も観ているから
蹴球とのつき合いは実に長い。

にもかかわらず昨夜の札幌の試合は
日本サッカー史上に燦然と輝く快挙といえよう。
このままおめおめ引き下がる韓国ではないが
日本はスペインの如く、香川はメッシの如しであった。
やることなすことズバズバ決まりすぎるので
こちらは夢見るシャンソン人形の如くルンルン。

なでしこの快挙もうれしかったけれど、
オトコのサッカーを半世紀も見守ってきた身に
夕べの出来事は死ぬまで、
いえいえ、死んでも忘れえない慶事だった。
ダンケ! グラッツェ! スパスィーバ!