2015年2月12日木曜日

第1033話 加賀百万石より 加賀まりこ

一昨日の昼すぎ。
自宅で失敗作のランチを食べながらTVのザッピングにいそしんでいた。
近ごろ地上波の民放をトンと観なくなった。
殊にヴァラエティにはウンザリしている。
そもそも出演者が多すぎるヨ。
オマケに揃いも揃って、”俺が!オレが!”の目立ちたがりばかりなり。
コメントが重なってしまい、何をしゃべっているのか皆目判らん。
ありゃいったい何なんだろうねェ、バッカじゃねェのっ!

その点、NHKはなんぼかマシでっせ。
子どものころ、父親とはしょっちゅうチャンネル権争いをした。
敵はやたらにNHKを観たがるが、子どもには堅苦しくってやり切れない。
それが今、親父の歩いた道を自分がたどっている。
ファーザー、あんたはエラかった!

でもってその日、ザッピングの手が止まったのは
ひかりTVの時代劇専門チャンネル。
画面には御家人風サムライと艶っぽい町女が映っている。
初対面のご両人、意気投合して屋台のおでん屋に飛び込んだぜ。

男は一べつして小林旭と判ったが
女のほうには一拍置いてから目を見張ったネ。
何と、”大”の字が二つも三つも付くほど好きな加賀まりこでねェのっ!
あらためて感心いたしやした、つくづくよかオナゴやねェ、まりこは―。

思い起こせば1964年。
東京オリンピックの年に封切られた映画「月曜日のユカ」。
そのポスターの加賀まりこに強烈なエロスを感じたJ.C.だった。
実際に映画を観たのは30年も経ってからで
期待をはずされ、ピンとこなかったけれど、
例のポスター以来、彼女のファンであり続けたことは確かだ。

くだんの時代劇のタイトルは「幻之介世直し帖」。
1981~82年にかけて日本TV系列で放映された。
まりこはレギュラーではなくゲスト、全24話中第14話のみの出演だ。
貴重な1話を昼めしのつれづれに命中させたんだから
わが指先も捨てたモンじゃない。

江戸市井の伝法な下町女を好演する、おきた(加賀)に心が踊った。
心踊ったものの、シリーズ全体のデキはイマイチ、視聴率も伸びなかった。
時間軸が前後するが
”必殺シリーズ”と「暴れん坊将軍」を足して2で割ったところに
旭自身の”渡り鳥シリーズ”、
加えてアメリカの「バットマン」と日本の「まぼろし探偵」まで入り混じり、
シッチャカメッチャカもいいところ、手の施しようがない。

ただし、作品自体の存在感は際立っている。
旭の殺陣は暴れん坊・健ちゃんサンバに劣るものの、
そこは往年の日活大スター、カッコよさで四角四面フェイスの健を凌駕する。
そして加賀まりこの登場が裏付けるように
ゴージャスな客演者のおかげもあって、マンネリズムに陥ることはない。

今日12日(木)の放映は第16話、24日(火)が最終回の第24話。
時代劇専門チャンネルHDで連続放映中である。
毎日はムリでも1話くらいは観てチョンマゲ。
ただし、わが愛しのまりこの姿はそこにありません。