2015年2月25日水曜日

第1042回 あの町この町 日が暮れて (その3)

先週土曜夜のTV東京は「アド街ック天国」。
不動前の2店がどうにもこうにも懐かしかった。
ご当地住人のゲストはロミヒーとケンコバ。
さすがに「天冨良むら田」は二人とも踏破していたが
「中華こばやし」は揃って、その存在さえも知らなかった。

まあ、前者は桜の名所として都内屈指のかむろ坂中腹にあるから
坂をいく度か登り降りしたなら誰しも認知できるだろう。
ところが後者はちょっとやそっとでは見つけにくい町はずれ。
これといった商店街に恵まれない不動前駅周辺だが
隣り駅の武蔵小山は大商店街を有している。
「中華こばやし」は不動前から武蔵小山に向かう途中にあった。

「アド街ック」によれば、この店は70代のご夫婦二人の切盛り。
J.C.が訪れた11年前、
女将さんの姿がなかったのはたまたまだったようだ。
画面で観たオヤジさんはさすがに歳を召された。
それもそうだヨ、王子はもとい、往時は60代半ばだもんネ。

実はJ.C、近所の攻玉社学園を一目見ようと
辺りを徘徊していて出会った「こばやし」なのだ。
何となれば攻玉社は亡父の母校なのですヨ。

国破れて山河あり、障子破れてサンがあり。
事業に失敗した父親が長野から東京に落ちくだったとき、
攻玉社の学友にどれほど世話になったか、
その恩義、小学校に上がる前の幼児ですら身に染みた。
草葉の陰のオジさんたち、本当にありがとうございました。

それはそれとして番組は先に進む。
BEST9あたりだったかな?
アース・トレーニングセンターというのが出てきた。
この建物を見たとき、驚いてカウチから転げ落ちそうになったネ。

   ♪ 窓を開ければ 港が見える 
   メリケン波止場の 灯が見える 
   夜風 潮風 恋風のせて 
   今日の出船は どこへ行く 
   むせぶ心よ はかない恋よ 
   踊るブルースの 切なさよ ♪ 
       (作詞:藤浦洸)

ご存知、淡谷のり子の「別れのブルース」(1935年)だが
GFのアパートメントの窓を開ければ、
目の前に開けていたのがこのビルディングとその中庭。
ここは廃校となった元朝鮮第七初級中級学校跡地で
それがトレーニングセンターとして生まれ変わっていたのだ。
びっくりしたなァ、もう!

すぐそばにかむろ坂下の赤提灯、「太田屋」がある。
日が暮れて暖簾をくぐるときの胸のときめきよ。
不動前屈指の名酒場が”選”からもれている。
まったくもってTV東京のスタッフの目は
揃いも揃って節穴というほかはない。
もっとちゃんと、勉強せいっ!

=おしまい=

「中華こばやし」
 東京都品川区西五反田5-23-9
 03-3491-2447

「天冨良むら田」
 東京都品川区小山台1-33-9
 03-3405-1478

「太田屋」
 東京都品川区西五反田4-3-5
 03-3491-3620