2015年2月13日金曜日

第1034話 スープを掛けてサラサラと

先々話でふれた”動坂下・深酒事件”。
翌日の日曜を棒にふったが
二日酔いとはいえ、めしは食わねばならぬ。
日テレの「笑点」を観終えて家を出た。

浅草に向かうつもりがなぜか心変わり、白山上にやって来た。
大阪鮓の「梅光」は数年前に廃業したものの、
割烹「松下」、戸隠そば「満寿美屋」、焼き鳥「八巻」、
焼肉「Lee Cook」、中華「兆徳」などなど、
訪問に値する佳店にことかかない。

とはいえ日曜のこと、すべての店が客を待ち受けているわけではない。
日本そばと中華で迷った末、「兆徳」のカウンターに席を確保した。
ここは餃子とチャーハンをウリとしている。
割安なセットメニューはかようなコンビネーション。

 A―玉子チャーハン・チャーハン・ラーメン  
 B―焼餃子・焼売 

A・Bから1品づつ選ぶシステムで
チャーハン派は980円、ラーメン派は950円だ。
ちなみに玉子チャーハンは塩味、普通のチャーハンは醤油味。
お願いしたのはラーメン&焼餃子である。

ご多分にもれずラーメンの出来上がりがずっと早い。
どこで食べても餃子は遅れてやって来る。
さっそくスープを一すすり。
フム、鶏ダシがアッサリと主張する好きなタイプだ。
どんぶりを彩る具材は、もも肉叉焼・シナチク・半ゆで玉子・海苔。

「兆徳」は店主を含め、全スタッフが from China(かな?)。
こういう店でラーメンに海苔はきわめて珍しいが
しかし、試みは成功していた。
シコシコ感を残した麺にも及第点、アッサリ派には有難いラーメンだ。

焼き餃子はニンニク不使用。
ややものたりなさを感じるものの、水準はクリアしている。
この日は二日酔いのせいもあり、これが第一食。
食べ進めてみると、眠れる食欲が目を覚ましてきた。
そこで半ライスを追加したものの、コイツがヤケに硬い。
もともと硬めライスが好きな人間がこぼすのだから相当なもの。

チャーハン自慢の店においてはこういうことがままある。
チャーハンに適した炊き方なのだ。
ここで、はしたなくもラーメンのスープをライスにぶっかけた。
お茶漬けさながらにサラサラやったら、これが意想外の美味しさ。
白飯と出会ってスープの鶏ダシがいっそう際立った。

次回は塩味の玉子チャーハンを食べてみたい。
と言いつつ、その次回が1年もやって来ないんだけどネ。

「兆徳」
 東京都文京区向丘1-10-5
 03-5684-5650