2015年4月8日水曜日

第1072話 「れもん」という名のお好み焼き屋 (その3)

熱いカキのバタ焼きで冷たいビールを飲み、
いよいよ粉モノの吟味に入った。
大塚は三業通りの「れもん」にいる。
吟味といっても、お好み焼きやもんじゃの類いは得意分野に非ず、
今宵のお相手、O戸サンにお任せである。

それでも一応、壁に貼り出された品書きを見てみよう。
この店の品々は
お好み焼き、もんじゃ焼き、うす焼きの3つに大別される。
かいつまんで紹介する。

=お好み焼= 
 生いかお好み 生えびお好み あさりお好み 牛お好み
 豚お好み ベーコンお好み すじこんお好み 各750円
 ミックスお好み 800円  れもん焼 850円

=もんじゃ焼=
 もんじゃ焼 650円  生いかもんじゃ たこもんじゃ
 明太子もんじゃ カレーもんじゃ そばもんじゃ 各700円

=うす焼=
 生えびうす焼 たこうす焼 ねぎうす焼 しょうがうす焼 各700円

相方が真っ先に興味を示したのはれもん焼だった。
店名を冠したれもん焼はオペラに例えれば
タイトルロール(アイーダ、トスカ、トゥーランドット、フィガロ、オテロなどなど)、
主役を張るからには店の自信作とみてまず間違いあるまい。

れもん焼とはいったい何ぞや?
第一感はラーメン店にありがちな”全部入り”だ。
いわゆるオールスター・トッピングですな。

ところがどっこい、実際はまったく違った。
よく見れば品書きの横に説明があるじゃないか。
そっくりそのまま引用すると、

 ミニお好み3品セット
 お好み焼メニューより3品お選びください

スモールサイズがトリオでやって来る、お食べ得メニューだった。
相方が迷いに迷ってセレクトしたのは生イカ・生エビ・豚の3種。
3点セットのれもん焼き 
いざ焼きましょうという段になり、
ふとテーブルの脇を見やると、
ありゃりゃ、近ごろトンとご無沙汰の御仁が目にとまるじゃないか。
赤いキャップの化調サン
はたしてO戸サンは
化学の力を借りるのであろうか?
固唾(かたず)を飲んで見守るJ.C.でありました。

=つづく=