2015年4月14日火曜日

第1076話 ぶらりサンデー・モーニング (その2)

どうでもいいけど、いや、よくはないんだが
この四月は急に寒の戻りが来襲したかと思えば、
季節はずれの長雨のせいで気が滅入ることしきり。
寒さはどうにか許せるとして
例年の梅雨以上に降りまくるレインにはお手上げの巻である。

英米ではエイプリル・フール、もとい、エイプリル・シャワー、
それに続くメイ・フラワーなどと称され、
四月の雨が五月の開花を促すものと信じられているが
ひるがえって日本、殊に今年はまったく逆。
散った桜が寒気と氷雨を呼び込んでいる。

エニイウェイ、日曜の午前、
文京区・千石&豊島区・巣鴨の中間にある「モスバーガー」の二階に独り。
窓際のシートにゆったり座り、
白山通りを行き交うクルマを眺めながらサンデー・ブランチを楽しんでいる。

玉子のライスバーガーが豚汁と沢庵を従えて運ばれた。
ウエイトレスの所作が「マクドナルド」とはずいぶん違う。
どっちがいいかって?
そりゃもちろん、「モス」にきまってるじゃん。

マニュアル通りの「マック」と違い、
「モス」には「モス」の個性がそこかしこに表れている。
いつか言おう、いつか書こうと思っていた「マック」に対する不満を
この機会にあからさまにしてみたい。

常連じゃないのでエラそうなことは言えないけれど、
「マクドナルド」で注文を済ませて支払いを終えた瞬間、
自分の娘、いえいえ、孫みたいな少女に
「ハイ、こちらにズレてお待ちください!」―なんて指示されちゃうんだ。

この言葉を初めて耳にしたのは
記憶が確かなら10ヶ月ほど前だったと思う。
”ズレろ!”・・・いったい何て言い草だい。
少なくとも客商売において店が客に投げ掛ける言葉ではあるまい。

中国の鳥肉騒動以来、大幅に売上を落としている「マック」だが
真心のこもらぬマニュアル通りのセリフしか口にできないスタッフが
最前線の業務に携わっていてはまず回復は見込めまい。
マネージメントの感覚そのものも日本人の常識からズレているのだ。

事実、久々に訪れた「モスバーガー」でその違いを実感した。
店内の雰囲気からして「モス」には「マック」のざわつきがない。
来客数が少ないからかもしれないが
穏やかな時間がゆったりと流れている。
”As Time Goes By” ってなカンジかな?

=つづく=