2018年1月8日月曜日

第1782話 一富士二貴三白鵬 (その1)

ここ数週間というもの、朝のモーニングショーも
の報道番組も(観るヒマないけど昼もまたしかりであろう)
日馬富士の暴行事件に端を発した一連の角界騒動一色。
それも二言目には「暴力は許されない!」
こればっかりの大合唱。
コメンテーターもゲスト識者もほかに言うことないのかネ。
合唱は歳末の「第九」だけでじゅうぶんだ。 

それに加えること、
加害者、被害者を紋切り型に二分して
加害者側の伊勢ヶ浜親方より
被害者側の貴乃花親方の処分が重すぎる云々。

そもそも貴乃花は被害者側だが被害者本人ではないし、
問責されているのは相撲協会理事、
並びに巡業部長としての責務を怠ったところにあり、
暴行事件と責務不履行を同じ土俵に上げるのは無理がある。 

「一番かわいそうなのは貴乃岩」―
これまたTV出演者の常套句だ。
はたしてそうだろうか?
J.C.はその意見に与しない。

それではだ~れ?
事件の加害者である日馬富士が最大の被災者だろう。
相撲取りとしては小さなあの身体で横綱に昇りつめるには
言葉に出来ないほどの辛苦があったハズ。
番付表といくらにらめっこしても
彼以上に精進してきたと思える力士は見当たらない。
強いて挙げれば白鵬と鶴竜くらいじゃないか―。

揃いも揃ってモンゴル出身力士で
この三横綱が日本の国技を支えてきたのは明白な事実。
稀勢の里なんかまだまだだ。
人気はあるけれど、その要因は日本人であるということだけ。
角界にあまり貢献していないし、大した功績も残していない。
相撲協会もメディアもファンも、
もっと彼らをリスペクトし、彼らに感謝すべきだろう。

日馬富士は自らの奮闘努力の賜物を
たった一夜で無にしてしまった。
被害者本人が雲隠れして、いや、雲隠れを余儀なくされて
今までの功績を爪の先ほども認められず、
築き上げた地位を失い、ただただ罪を糾弾されるのみ。
あまりにも不憫でならない。

結果的には辞任というカタチになったが
そこまで追い込んだ相撲協会、横綱審議会、
各種メディアはいったい何様なのかネ。
こんな仕打ちしかできない連中が同じ日本人かと思うと
悲しくて悲しくてとてもやりきれないヨ。

=つづく=