2018年1月9日火曜日

第1783話 一富士二貴三白鵬 (その2)

日馬富士の悲劇について、そのつづき。
今さら何を言っても何を問うても覆水盆に返らず。
そんなことは判っちゃいるけど、
何かしら救済措置がなかったものだろうか?

一般人に手を出したやんちゃ坊主の乱暴者、
朝青龍のケースとは事情も罪状も異なる。
日頃の所作、所業を見て感じるが
日馬富士はそれなりの人格者だと思う。

評議員会議長の池坊保子サンは
「貴乃花親方がすみやかに報告していたら
 八角理事長も対応のしようがあったと思う」―
かように悔しさをにじませている。

むろん、お咎めナシとは絶対にいくまいが
引退だけは避けられたのではないか―。
好角家として知られるデーモン閣下も
「辞めることはなかった」と語っているし、
日馬富士の大ファンを自認してやまない、
英国のウイリアム皇子は茫然としていることだろう。

極論すれば結果として
日馬富士は貴乃花に首を取られたカタチ。
にもかかわらず、
横綱引退表明後もかたくなに
危機管理委員会の聴取や
メディアの取材を拒み続けた貴乃花。
マスコミ関係はともかくとして
あまりにもしゃべらなすぎた。

要するにターゲットは日馬富士の首ではなかったのだ。
相撲協会か協会理事長、
あるいはひっくるめてその両方なのだろう。
それならなおさら口を開いてほしかった。
ん? 沈黙は金? すでに死語ですな。

そのわりに身内の宴席では「嘆きのメロディー」、
「勇者たち」を臆面もなく披露した貴乃花。
しゃべるほうより、歌うのが得意の様子だ。
歌に想いのすべてを託したようだが
「西部警察」の観すぎだヨ。
裕次郎も草葉の陰で苦笑しているに違いない。

前述の池坊サンが理事解任の理由の一つとして
礼を失した行動を挙げた。
昨日TVを観ていたらそこをつき、
”私情をはさんだコメント”として非難した司会者がいた。

ちょっと待ってヨ。
あれは私情じゃないだろう。
一連の行動は誰が見ても無礼だし、
品性を欠くものだった。
声高に角道を唱える姿に相反するのは明らかだ。

=つづく=