2019年2月8日金曜日

第2064話 軽食&喫茶に白レバー? (その3)

中瓶のビールが残り少なくなる頃、
白レバーのニラレバ定食が運ばれた。
ん? いったいどこが白いんだヨ。
大量のもやしに混じって散見されるレバーは
ごくごくフツーの当たり前のもの。
ちっとも白くなくて、むしろ黒いくらいだ。
しかも見るからに鶏ではなくて豚のレバーである。
やっぱりなァ。
白レバーは売切れちゃったんだヨ、きっと。

それにしても「花家」の2人用テーブルは幅が狭くて
縦に長いもんだから、殊に定食は並べにくい。
それでもどうにかセッティングして食事のスタート。
ごはんは半分でお願いしたのにまともな量。
小さめのどんぶりだが茶碗1杯より多い。
清湯はしょうがの風味が利いている。
白菜の浅漬けはちょうどよい漬かり具合だ。

さて肝心のニラレバである。
色黒のレバーは完全に豚のもの。
しかも火の通し過ぎにより、硬くてパッサパサだ。
とにかく許し難いのはもやしばかりで
主役の一翼を担うべきニラはホンのちょっぴり。
彩り役のにんじんもちょっぴり。
そして全体に味付けが薄い。
化調責めのおそれはなくともプロの調理ではない。
腕に多少の覚えある主婦なら、もっと上手に作るだろう。
いや、マイッたな。

当店に限らず、昨今は
もやしまみれのニラレバが大手を振って歩いている。
大島の「亀戸餃子」しかり、日ノ出町の「第一亭」またしかり。
もはやニラレバは死語化しており、
モヤレバに改称してほしいくらいのものだ。

結果、白菜漬けがベストであった。
量が少ないから、これを2皿もらって
中瓶を2本飲んだほうが、よっぽどどシアワセ。
ひと月前に打包(ターパオ)した餃子もイマイチだったし、
ここは麺類が無難なのかもしれない。

支払いの際、レジ担当のオバちゃん(おそらく女主人)に
「アレは白レバーですか?」—訊ねると
「ええ、そうですヨ。入荷したときしか出せないんです」—
悪びれた様子もない。
そりゃあ、ないヨ、セニョーラ!
白レバーは鶏特有のもの。
豚の白レバーなんて聞いたことないし、
もしもあったとしたら肝硬変の豚の脂肪肝だヨ。

壁に掛かった昭和27年の祭りの写真。
神輿のバックに写った「花家」の2階に見物人が鈴なりである。
右手には「あづま家」、左手には「一本堂薬局」。
今は更地になっているが「一本堂」って老舗薬局だったんだ。
「マツモトキヨシ」もそうだけど、
”薬局に歴史あり”—そのことをあらためて教えられた気がした。

=おしまい=

「花家」
 東京都荒川区西日暮里3-2-2
 03-3821-3293