2019年2月19日火曜日

第2071話 雪がチラチラ 大塚の街 (その1)

数日前から気象庁が盛んに
「雪が降る、雪が降る」と警鐘を鳴らし続けていた。
われわれの世代は「雪が降る」と聞くと
その第一感は天気予報じゃなくって
シャンソン歌手のサルヴァトーレ・アダモ。
そう、「Tombe la Neige」なんですネ。

♪   雪は降る あなたはこない
  雪は降る 重い心に
  むなしい夢 白い涙
  鳥は遊ぶ 夜は更ける
  あなたはこない いくら呼んでも
  白い雪が ただ降るばかり  ♪
     (作詞:安井かずみ)

だいたいが当庁の予報は常にオーバーめ。
うがった見方をすれば、
予期せぬ大災害につながった場合に備え、
少しでも自庁の責任を逃れる、軽くする、薄める、
そんな自己防衛本能が作用するために相違ない。
いや、本能というより策略だネ、あれは—。

備えあれば憂いなし。
確かに一理ありますがネ。
だけど突然、予約をキャンセルされる、
飲食店の身にもなってあげなさいヨ。

先々週末の土曜日。
都心でも積雪5センチに達すると予報されたものの、
案の定、大したことはなかった。
フン、やっぱりな、またヤられたぜ。
そう、舌打ちしたことだった。

世の中の女性や子どもがおやつを食べる時間に
傘も持たずに家を出ると、
降雪の形跡は残っていたが積もるというほどではない。
ただ、気温はかなり低かった。
伊達の薄着が自慢(?)のJ.C.も思わずもらしたネ。
「お~、さむっ!」

かかりつけの歯科医で定期健診を済ませたあと、
JR山手線で大塚駅へ。
この日はのみとも・Fチャンから
都内随一の酒亭「江戸一」に案内せよとの要望があり、
それに応える手筈となっていた。

駅の改札を抜けるときに時計を見上げると、まだ16時前。
待合せは16時25分である。
「江戸一」の開店は平日が17時。
土曜だけは30分前倒されて16時半なのだ。

早めに到着したのにはワケがあり、
そう、賢明な読者はすぐにピンと来たことでしょう。
例によって独り0次会を
ささやかに執り行う腹積もりでありました。

=つづく=