2019年2月12日火曜日

第2066話 驕る鳥家も久しからず (その1)

新宿区在住のS村サンからいただいたメール。

J.C.さんは以前よく、
神田神保町で飲まれてらしたですよね?
神保町と水道橋の中間にある、
「焼鳥 酉たけ」には、もう行かれましたか?
先日、夫とおじゃましましたら
とても美味しかったのです。
接客に多少の問題がありましたが
そこには目をつむって
まだ未訪でしたら行かれてみてください。

いや、知りませんでした。
ネットで所在地を調べてみたら
前は違う屋号の焼き鳥屋だったか、もつ焼き屋だったか、
とにかく1度だけ訪れた店があった場所だ。
そのときは二次会か三次会だったため、
軽く飲んだだけなので記録に残っておらず、
店名も思い出せない始末である。

予約必須と聞いて電話を入れ、独りで赴いた。
その際、店主と思しき受け手から
「混み合いましたら2時間制になりますが・・・」
「いや、そんなに長居しません、せいぜい1時間そこそこで―」
こんなやり取りが交わされたのだった。

開店の17時を数分過ぎて引き戸を引くと、すでに先客あり。
カウンターの右端に1カップル、座敷に1グループだ。
カウンターの左から2番目の席に案内され、
おもむろに中ジョッキを通した。
生がアサヒ、瓶はキリンの取り揃えである。

接客担当はまだ若いけど、女将サンかな?
いや、そんなタイプじゃないが仮に女将としておこう。
焼き手は店主で2人の切盛り。
彼らが夫婦かどうかは判らない。
ひとしきり他客の注文を取った女将が
金350円也のお通し3点セットを用意してくれた。

このとき気になったことがある。
小鉢を左手に2つ、右手に1つ、
両手で女将から手渡されたが問題は左手。
左の人差し指が片方の鉢の中に入っちゃってるヨ。

例えば接客係がビールのグラスを下げる際に
片手で2つ持つ場合、親指・中指・薬指で1つをはさみ、
もう1つは人差し指をグラスの中に引っ掛け、
2つををカチンと合わせるように持つ。
これは飲食店でよく見る光景だ。

しかし2人客にビールとグラス2つを出すときに
上記の持ち方は絶対にしないだろう。
ああいう仕業は下げ物だけに許される。
なるほどねェ、雑だなァ、こりゃ接客に問題ありだ。
ここは心してかからにゃならんゾ。

=つづく=