2019年2月11日月曜日

第2065話 作るアホウに食うアホウ

作るアホウに食うアホウ
同じアホなら食わにゃあ 損々

何のこっちゃい? ってか?
いえネ、アホウの極み、愚の骨頂とも言うべきアホウ巻、
もとい、恵方巻のことでんがな。

年が明けたと思ったら早や如月。
毎年、2月がやって来ると不快な気分にさせられる。
ここ20年、節分の主役は豆まきから
恵方巻に取って変わられた態を示している。
今年も大きな神社仏閣では盛大に豆まきが行われたが
一般家庭ではどうだろう?
子どもの2~3人もいれば絵になるけれど、
倦怠期を迎えた夫婦二人が家で豆なんかまいてごらんなさい。
鬼が出てゆく代わりに、しらけ鳥が舞い込んで来るって―。

忘れもしない2006年2月2日、節分の夜。
六本木の「寿し処 くに」(現在は西麻布に移転)をGFと訪れた。
引き戸を引くと店内右側のつけ台にいたカップルが
揃ってこちらを振り向くじゃないの。
と思ったのは、われわれの勘違い。
二人の手にはぶっとい恵方巻がつかまれていた。
ちょうど玄関の方向がこの年の恵方だったわけだ。

何も高級鮨店でアホウ巻、
再びもとい、恵方巻なんぞ食わなくてもいいじゃないか―。
第一、あんなぶっといのをやっつけたら
ほかが入らなくなるだろうに―。

調べてみたら1989年に広島のセブンイレブンのスタッフが
大阪の古い習慣にヒントを得て発案し、
’98年頃から急速に全国普及したとのこと。
まったくもって罪づくりな発明をしたもんだ。

恵方を向いて言葉をもらさず、一気に食べ終える。
フン、こんなんで願い事がかなったり、
福が呼び込めたら誰も苦労はしないヨ。
むしろ、食べものを粗末に扱っている感拭えず、
逆にバチが当たって、災厄に見舞われるのが関の山だ。

今年もまたコンビニを中心に悲劇的愚行が繰り返された。
”本部”の無謀かつ横暴な売上計画が破綻し、
アホウ巻(もう、もといは入れない)を余りに余らせ、
しわ寄せは従業員に押し付けられて
なけなしの給料なのに自費購入を強制される始末。

しっかし、あの”本部”ってのはいったい何なのかネ。
民、百姓の血涙を搾り取る悪代官の生まれ変わりかい?
どうせ愚かな社長はじめ、
無能な役員たちのアホ軍団だろうが
きゃつらこそが諸悪の根源なのだ。

哀れ、大量に廃棄されたアホウ巻は豚のエサと化し、
その豚肉を人間が食べるという笑えない食物連鎖。
ねェ、みんな、いい加減にアホウ巻とはオサラバしようヨ。
あんなん食い続けてると、本当にバチが当たるヨ。

われ生きる世から消えてほしいモノいくつか―。
家庭や学校にはびこるイジメと虐待。
アホ首相とアホウ財務相、そしてアホウ巻でありまする。
その願いかなうよう、今夜はおでんで一杯飲るとしよう。
ごぼう巻と鳴門巻を入れたヤツでネ。