2021年6月3日木曜日

第2668話 ホッピー通りは 全滅だけど

「アロマ」をあとにして六区を歩む。

浅草演芸場前のフラワー通りを右折し、

ホッピー通りに入ると

ものの見事に全店シャッターを閉じていた。

まさしく全滅である。

 

時短営業要請だけなら何とかやりようがあろうが

禁酒令は息の根を止めてしまう。

浅草は若者率が高くないせいか、

渋谷みたいに徒党を組んでの路上飲みはないけれど

酒場・居酒屋はたまったもんじゃない。

気の毒だヨ、殊に大型店舗はネ。

 

ホッピー通りの突き当りは

今も細々と営業している花やしき。

その左手に「ほていちゃん 浅草店」がある。

 

ややっ、開いてるぜ、やってるヨ。

4月24日を最後に外飲みを封印しているJ.C.。。

そりゃ水辺の独りワンカンはたびたびだがネ。

 

「ほていちゃん」の経営母体はフォートップスという会社。

緑のタヌちゃんにケツをまくった、

グローバルダイニングほどのメジャーではないが

コロ助で業界が息も絶え絶えの現況下、

かなりの健闘ぶりを見せているグループだ。

 

リスクをとっての大っぴらな酒類販売には

それなりの覚悟があろう。

その覚悟に応えようじゃないの。

さいわい当店には必ず立ち飲みコーナーがある。

“密”にはならんし、会話もほとんど交わされない。

 

黒ラベルの中ジョッキを通した。

赤星がお得ながら、瓶や缶は家でも飲める。

実にひと月ぶりの生ビールは

ノドチンコにぶつかり、音を立ててすべり落ちてゆく。

美味いねェ、美味いなァ、即刻もう1杯。

 

つまみはマルズワイガニのフライ。

爪が3本、タルタルソース付きで来た。

高級なズワイ系とは縁もゆかりもないこのカニは

本来、アフリカオオエンコウガニと呼ばれる。

食味はイマイチでもそこは爪肉のこと、悪くなかった。

 

浅草寺を中心としたオモテの浅草は東西南北を

馬道・国際通り・雷門通り・言問通りに囲まれるエリア。

そこに加え、観音裏の一画を探査して

酒類販売を貫いているのは「ほていちゃん」ただ1軒。

哀しいかな、これがエンコの実情である。

 

明日は台東区のもう一つの繁華街、

ノガミのパトロールとまいろう。

 

「ほていちゃん 浅草店」

 東京都台東区浅草2-15-2

 03-6802-7780