2021年6月17日木曜日

第2678話 カワセミ 可愛いや

西荻の町を散策し、善福寺公園に向かった。

池のほとりで憩いたい。

善福寺川を上流にたどればオートマティカリーに公園。

宿橋のたもとで小粒ながら枇杷の実がたわわだ。

 

突然、3羽のカルガモが橋をくぐって飛んで来た。

三井物産の池から皇居のお濠に引っ越す親とヒナたち。

上野・不忍池にたたずむ番(つがい)。

都会人にもなじみのあるカルガモだが

飛ぶ姿を目撃したのは初めてかもしれない。

 

さらに川沿いを進むと

寺分(てらぶ)橋の先で1羽のカワセミに遭遇。

都内でも見られると聞いてはいたが

いざ出逢ってみると、うれしいなァ、可愛いねェ。

 

茶褐色の胸にコバルトブルーの背と頭。

全鳥類中、一、二を争う美しさに

竜宮城の乙姫さまもビックリだろう。

ところが、このカワセミ。

見かけによらず、サカナを獲らせたら天下無双。

英名がキングフィッシャーってくらいのものだ。

 

右岸の手すりにとまり、こちらを見ているカワセミ、

左岸で見返すJ.C.、互いの視線に火花こそ散らないものの、

もっと近寄りたくなった。

 

寺分橋に戻り、右岸へ渡るもヤッコさん、意外に逃げない。

両者の距離5mに縮まったところで、いきなりピューッ! 

何と放尿しやがって、左岸の手すりに川をまたぎやんの。

いやはやまさしく、立つ鳥跡にお漏らし。

昆虫のセミは飛んでからピューッだが

カワセミは飛ぶ前にピューッとやるんだネ。

あやうく美貌のツラにションベンだった。

 

再びお見合い状態となるも、ほどなくどこぞに飛び去った。

いいものを見させてもらい、胸弾ませて善福寺公園。

近くにコンビニはなかったが酒店の自販機を発見。

ルーティンに従ってロング缶をゲットし、池畔でプシュー。

 

思い起こせば、禁酒要請が発効した4月25日以後、

出先で缶を開けるのは常に水辺だ

平和橋・中川を皮切りに、下落合・せせらぎの里。

あとは上野・不忍池、王子・音無川親水公園、

八丁堀・亀島川と、渡り飛ぶ水鳥さながら。

 

水景を前にして飲むビールは格段に美味くなるから

ぜひ、みなさんにも飲んでほしいのだヨ。

だけど、京都・鴨川の若バカどもみたいなマネだけは

くれぐれもなさらぬように―。