2021年6月30日水曜日

第2687話 管轄外もパトロール (その2)

新橋のビヤホール「BIERREISE98」にて

ヴァイスブルストを発注したところ。

そしたら接客のオバちゃん、品切れだとおっしゃる。

何でも入荷が途切れてるんだと―。

それではホットドッグに使われたりもする、

細長いシンケンクラカワ(528円)をお願いした。

 

ジャーマンポテト風の付合わせがチョビッとに

種入りマスタードがたっぷり。

例のまるえふをお替わりしながら楽しんだ。

 

くだんのオバちゃんと会話が始まる。

「お店、以前は駅そば、第一京浜の近くにあったよネ?」

「あら、よくご存じで」

「こちらも一度おジャマしたけど、もう何年になるの?」

「ハイ、13年になりました」

「じゃ、オネエさんは前の店からずっと?」

「ええ、そうなんですヨ」

「スゴいなァ、頑張ってるねェ、これからも頑張って」

「ハイ、頑張ります・・・ホントは頑張れないんですけどネ」

「ハハハハ」

 

なんか楽しくなり、なおも徘徊する新橋の街。

線路の向こう、山手線の外側に移動した。

潜り込んだのは駅前ビル1号館。

此処なら昼でも止まり木探しに苦労はしない。

でも、以前の活気にほど遠い空気が流れている。

渋谷の路上飲みはさておき、不撓不屈はやはり上野だけだ。

 

1、2階、B1をくまなく回り、

翼を休めたのはB1の「おけい屋はなれ酒店」。

ワインショップを併設するワインバーである。

 

最初はピエモンテの微発泡赤、グリノッツァ(600円)。

合いの手はトリュフ風味のウッフ・マヨネーズ。

半熟玉子に自家製マヨネーズと

ごく小さな黒トリュフが2片乗っていた。

グリノッツァとの相性はまずまず。

 

次にオレンジワインのラシッチ・ビアンコ(600円)。

中部イタリア、アブルッツォの産だ。

滅多に飲まないオレンジながら

舌先を変えるには面白い1杯だったかも?

 

締めは鳥取産、北条ヴィンテージ2014900円)。

セパージュはメルロー100%だ。

フォワグラソテー・イチジク赤ワイン煮添えを合わせる。

トリュフと来たらフォワグラだもんネ。

本来、フォワグラには甘口白だが

北条さんも頑張ってくれた。

 

ビヤホールのオバちゃん、山陰の造り手、みな頑張ってる。

J.C.も頑張って管轄外をパトロールしてみたが

やはり縄張りの内側が落ち着くネ。

そろそろ帰るとするかの。

今日は買い出しをやめ、あるモンで賄うといたしましょう。

 

BIERREISE(ビアライぜ)‘98

 東京都港区新橋2-3-4

 03-5512-5858

 

「おけい屋はなれ酒店」

 東京都港区新橋2-20-15新橋駅前ビル1号館B1

 03-6280-6443