2021年6月8日火曜日

第2671話 ウイーン風のビーフカツ (その1)

それにしてもこの国の閣僚のレベルはおっそろしく低いわ。

愚劣な生きものがキャビネットにはびこるさまは目を覆うばかりだ。

 

多少は骨のあるヤツに見えた田村は

大臣という名のエサに食いついたあとはボス猿の思うがまま。

茶坊主の茶坊主として文字通りチャチャを入れ出した。

もっともこの結論を導いたのは

J.C.の自主的研究の“ご成果”に過ぎないがネ。

 

分不相応の極みとして大臣の座に着いた珠代なんざ、もう論外。

ああいう妄言を止めるには、もはや口ん中に何か

しゃぶり応えのあるモンを突っ込んでやるしか手立てがない。

“全く別の地平から見てきた言葉”って

オメエはいったいどこの地平の住人なんだヨ。

地平どころか、せいぜい水平に浮かぶ、

アホウドリがいいところだろうぜ。

おっと、こいつはアルバトロスに失礼しやした。

 

ため息つきながら行く先も決めずに家を出た。

メトロ千代田線・千駄木駅の代々木上原方面行きホーム。

その最後尾で思っていたのは

すぐに電車が来たらこのまま乗って半蔵門線に。

少し待つならホームの先端まで歩き、東西線へ。

初代茶坊主の決まり文句じゃないが

いずれにしろ大手町で乗り換えよう。

 

結局、先へ歩いて東西線の島式ホーム。

ここでも中野方面と西船橋方面、先に来た方に乗り込むつもり。

前者だったら神楽坂、後者の場合は茅場町で降りるつもり。

西船行きが入線してきた。

 

茅場町となれば「長寿庵」か「鳥徳」かな?

「長寿庵」の変わりそばは、おそらく胡麻切りだろう。

ここはそばより焼き鳥丼の気分である。

 

すると「鳥徳」、開いてることは開いてたが

テイク・アウト&ウーバー・イーツの営業のみ。

いいサ、いいサ、「鳥徳」ダメなら「宮川」あるサ。

さらに進むこと50m、何だヨ、何だい?「やき鳥 宮川」には

リーマン・OLが約10名の列を成していた。

本格的にダメだ、こりゃ。

 

界隈をほっつき歩いて見つけたのは

茅場町交差点そばの洋食屋「香味亭」。

店先のボードに記された本日の曜日替わり、

ビーフカツ・ウイーン風に魅力を感じたのだ。

 

地下へトントン降りてゆき、四人掛けテーブルに案内される。

そこそこの大箱は13時半を回っても8割方埋まっていた。

近隣の会社員以外のヨソ者はわれ独りの完全アウェイなれど、

そんなの関係ねぇ! 食ったモン勝ちだわサ。

 

前日串かつ食べたばかりで今日ビーフカツ。

通常は立ち止まって考える局面ながら

決め手はやはり“ウイーン風”でしたネ。

 

=つづく=