2021年7月5日月曜日

第2690話 梅雨なのに マトンカレーに つゆはナシ

このところ梅雨らしい空模様が続いている。

散歩に不向きな天気のせいで身体がなまってしまう。

その日の午後もそうだった。

 

地下鉄の階段を上がり、淡路町の交差点。

半年前に訪れた日本そば屋「まつや」の並びの数軒先、

インドカレー「トプカ」にやって来た。

レトルトをちょくちょくスーパーで見かけるが

「トプカ」の実訪は3年前の真夏以来だ。

 

その際、インド風ポークカレーを注文したら

インド人ママ(?)に

「スゴく辛いけどダイジョウブ?」―念を押されたが

「平気、へっちゃらヨ」―無謀なマネをしちまった。

結局、ブラックマヨネーズの小杉さながら

「ヒーハー!」

すさまじく辛く四苦八苦した悪夢がよみがえる。

 

当店のカレーは二通り、インド風と欧風がある。

J.C.はもっぱらインド派。

宗主国より植民地に寄り添っていたいからネ。

 

今回は最辛のポークを回避し、

インド人(?)のアンちゃんに辛さを確認したうえで

インド風マトンカレーにした。

ヒーハーながらも完食したんでもう何も怖くない。

 

いつものようにスープが先に出てきた。

和風かき玉にコショウが振り込まれている。

インドカレー専門店らしからぬスープで

お味のほうは可も不可もなく。

 

運ばれたマトンカレーは角切りの羊肉ゴロゴロ。

ほかにジャガ芋と生のトマト&オニオン。

ライスはジャポニカである。

だけど全体的に乾いている。

 

世の中、梅雨だってのにカレーにつゆがない。

干からびてはいないけど

汁っ気がほとんどなくキーマよりドライな感じだ。

よってライスとの絡みも悪い。

 

札幌発祥のスープカレーは

好みに合わず、むしろ嫌いだが

自分で作るカレーはわりかしヒタヒタに仕上げる。

いや、ソースっ気のないカレーライスは味気ないや。

卓上の福神漬&らっきょうに助けを借り、

どうにか食べ終えた。

 

戦前の風情を色濃く残す旧連雀町。

散策するも急に雨足が強くなり、

さっき上った階段を下り戻った次第であります。

 

「トプカ」

 東京都千代田区神田須田町1-11

 03-3255-0707