2021年7月23日金曜日

第2704話 横綱・白鵬 アンタはエラい!(その3)

そうして迎えた楽日は結びの一番。

照ノ富士との全勝対決である。

ツラ押さえ、かち上げ、張り手。

まさにツッコミどころの満漢全席。

もちろん、批判は百も承知の“狼藉”だ。

 

ツラ押さえや張り差しは何の問題もない。

しかし、白鵬ファンのJ.C.でさえ.

かち上げと強烈な張り手は感心しない。

それでも禁止するなどもってのほか。

後手ゴテの協会も、ボケ集団の審議委員会も

ときとしてトンチンカンな解説者たちも

毎度、毎度、バカの一つ覚えで問題視するなら

ルールそのものを改正し、禁じ手にすれば済むことだ。

 

ただし、横綱だけに適用するのは見当違い。

横綱は角界の覇者だから

地位にふさわしい相撲を取れってか?

例えば、往年のジャイアンツ、

そして昨年までのソフトバンク。

この2球団は球界の王者だから

王者らしい野球を見せろってか?。

 

よって王者はスクイズを含む送りバント禁止。

3点以上差をつけたら盗塁も禁止。

こんな具合にハンデをつけてごらんなさいヨ。

まともな野球になりまっしぇん。

 

若い頃はずっと、横綱相撲を取り続けた白鵬。

ボロボロの最晩年を迎え、ルールで許される以上は

どんな奇策を駆使しても勝ちにこだわる。

自ら進退をかけると言いきって臨んだ今場所。

誰もが予想だにしなかった全勝優勝。

男の花道を堂々と、実に立派じゃないですか。

 

野球ファンは引退間際のミスター・ジャイアンツに対して

ゴロを打ったら全力疾走しろ!

三遊間の当たりは横っ飛びでつかめ!

なんて非情な言葉を投げつけましたか?

やさしく温かい目で見守っていたでしょ。

 

照ノ富士の準優勝も立派だった。

それにつけても2015年夏場所から

2017年秋場所までの大関時代に

連続優勝なんかしないでホントによかったネ。

あのとき横綱に昇進してたら復活劇など夢のまた夢。

即刻、引退に追い込まれていたハズだ。

 

こう考えると横綱にはならないほうがいいのかもしれない。

大関にはどこまで落ちても復活の道が残される。

じっくりしっかり土俵人生を全うしようと思う力士は

ずっと大関にとどまって

そこそこの成績を残し続けるのが理想であり得策だ。

初代貴ノ花や魁皇のようにネ。

けれどもそれじゃ土俵に緊迫感が生まれないよなァ。

 

横綱になったらなったで、やれ様式美だ、

やれ横綱らしさだと、余計ななものまで背負い込まされる。

横綱ほどワリの合わないタイトルは

他のスポーツに例を見ることがない。

憐れむべし。

 

=つづく=