2021年7月19日月曜日

第2700話 中華屋に ヌキがあっても 不思議はない

前話(先週金曜)で書き忘れたことが二つあった。

止まり木を求めて五反田の飲み屋街へ

行く途中に立ち寄った場所があった。

日活映画「嵐を呼ぶ男」で

裕次郎が下りていった小さな階段、

J.C.名付けて“裕やんだんだん”だ。

 

ここは変わらないねェ。

ところが隣りにあった5階建てのビルが跡形もない。

ビルに入居していた助川ダンス教室の袖看板を目印に

山手線の車窓から裕やんだんだんに

目を凝らしたこといくたびか―。

マンションに建て替わるが助サン復活するのかな?

 

もう一つは「酒蔵 ごたん田」。

3杯目の中ジョッキを傾けながら

なおもオバちゃんと会話を重ねた。

心温まるサービスに応えるため、

多少なりとも客単価を上げるつもりで

芋焼酎、その名も青木昆陽をロックでもらった。

これもまたグラスにあふれんばかり。

チェイサーの氷水とともに運ばれたのだった。

 

さて、その翌日、てえことはリカーOK最終日の前日。

都内きってのラブホ街に

J.C.オカザワの姿を見ることができた。

寄り添った相方と休憩を2時間にするか、

それとも3時間にするか、電信柱の陰でヒソヒソと・・・。

 

なあんてこたあ、あるハズもなく、

孤独なオッサンは鶯谷のマイ・ブレイクルーム、

「大弘軒」のカウンターで静かにビールを飲んでいた。

マミツは焼肉(ポーク)定食の焼肉を単品で―。

 

皿にポークと玉ねぎが炒まっていて

脇にはマヨネーズのかかった繊切りキャベツ。

肉が固いのと味付けが好みでないのとで

どうやらハズしたようだ。

 

大瓶を追加し、スポーツ新聞に目を通す。

野菜不足を補うために

めったに注文しない野菜スープを通してみた。

タンメンや肉野菜炒めでは量が多すぎる。

割り箸で野菜をつまみ、レンゲでスープをすくいながら

こういうのも悪くないなと感じていた。

 

ふと思いついたのは日本そば屋に種物からそばを抜いた、

天ヌキ、鴨ヌキ、おかめヌキがあるんだから

中華そばにも応用が利くハズ、そのことである。

今度、五目抜きか天津ヌキを試してみよう。

さすがに広東ヌキはどろどろになってダメだろう。

 

この日はもう1軒、立ち寄る先があった。

JR三河島駅前の立ち飲み酒場だ。

長いことずっと閉めていて、

たまの土曜に営業するという情報を得ていた。

本日開けたら、また長期休業に入るという。

チャンスを逃してはならじ。

尾竹橋通りを北へ北へと急ぎました。

 

「大弘軒」

 東京都台東区根岸1-7-11

 03-3875-6493