2021年7月28日水曜日

第2707話 熟年は上野をめざす

♪  ひとりで行くんだ 幸せに背を向けて

  さらば恋人よ なつかしい歌よ友よ

  いま青春の河を越え

  青年は青年は 荒野をめざす   ♪

     (作詞:五木寛之)

 

ザ・フォーク・クルセダーズの歌った、

「青年は荒野をめざす」は1968年暮れのリリース。

そのとき東京の街にはピンキラの「恋の季節」、

クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」が流れていた。

 

高校生だったJ.C.はもっぱら

パープルシャドウズの「小さなスナック」、

ザ・テンプターズの「エメラルドの伝説」を

口ずさんでいたけどネ。

 

それはそれとして熟年は上野をめざしていた。

なぜに上野をめざすのか?

そこに上野のお山があるからではない。

そこで冷えた生ビールが待っているからだ。

 

蔵前橋通り→タワービュー通り→春日通り

と来て、厩橋で隅田の大川を渡り、蔵前へ。

米の運搬に携わる馬たちの厩舎があった場所だ。

 

此処からだとエンコのほうがずっと近いが

選択肢が限られてしまう。

初心貫徹でノガミをめざした。

あとはひたすら春日通りを真っ直ぐに―。

JR御徒町駅のガードをくぐったところで右折。

アメ屋横丁に入った。

 

上野は元気だねェ、緊事宣なんか関係ねェゾ。

いつものように「ほていちゃん」に一直線。

ああだこうだと食いモンを取らずに済み、

生に集中できるのが何よりありがたし。

 

立ち飲みコーナーに身を滑り込ませ、

黒ラベルの中ジョッキと

胃に負担をかけないホタルイカ沖漬けを通した。

隣りとの間隔はほとんどナシだが

誰も口をきかないから問題もナシ。

中ジョッキを2杯飲み干して早々に立ち去った。

 

不忍池のほとりをめぐり、根津の町。

いや、この暑いのにずいぶん歩いたな。

ノドの渇きはいやせたものの、

おっと、身体は暑さを通り越し、熱くなってきたぜ。

 

たまたま通りすがった甘味処「芋甚」は渡りに舟。

大正末期創業のアイスクリームは懐かしのアイスクリンだ。

近所に棲んでた頃はよくアイス最中を買い食いした。

今日は店内でアベックアイス(バニラ&あずき)。

谷根千散策のおりには老若男女を問わずオススメである。

特に年配者は、かき氷の「ひみつ堂」なんかに

並んでたら熱中症になっちゃうからネ。

 

帰宅後すぐシャワーを浴び、

フリッジの缶ビールにまっしぐらでありました。

 

「ほていちゃん 上野店」

 東京都台東区上野6-10-13

 03-5846-6660

 

「芋甚」

 東京都文京区根津2-30-4

 03-3821-5530