2021年7月9日金曜日

第2694話 音楽やら藝術やら哲学やら

練馬区・小竹町を歩いて武蔵野音大に行き当たった。

日本初の音楽大学とのこと。

ベートーヴェン・ホールとモーツァルト・ホールを

学内に擁するから立派な音大なのだ。

「支那の夜」の渡辺はま子は

前身の武蔵野音楽学校出身である。

 

校舎の脇を通り、江古田駅方面へ。

すると今度は日大藝術学部が現れた。

マンモス大学・日大で最も世間に名の知れた学部だ。

われわれの世代は篠山紀信、藤竜也に加え、

先ごろ亡くなったキックボクシングの雄、

沢村忠が当学部の出身者として思い起こされる。

 

駅の周囲を徘徊するも以前の面影は薄れた。

「お志ど里」に続き「和田屋」も廃業。

呑ン兵衛には縁遠い町になってゆく。

地元の方には失礼ながら来ても仕方のない町になってゆく。

 

練馬区を抜け、新宿・中野の区界を走る哲学堂通り。

せっかく通りすがったので哲学堂公園にステップ・イン。

2009年より都の名勝に指定され、

昨年は国の名勝ともなった公園である。

園内を流れ貫く妙正寺川せせらぎの透明度が高い。

 

音楽やら藝術やら哲学やら

近年まれにみるアカデミックな散歩も大詰め。

西武新宿線の線路を新井薬師前駅にて横断した。

薬師境内は昨秋立ち寄ったので今回は素通りする。

薬師参道をそぞろ歩いて早稲田通りを渡ると

ここは中野の飲み屋街、昭和新道(しんみち)。

 

ノドの渇きをしずめるため「四代目 鎌倉酒店」へ。

角打ち風の店名だが、さに非ず。

若い男女のツー・オペによる立ち飲み酒場だ。

ドライの中ジョッキをあおる。

量が少ないから二息で飲み干し、即お替わり。

同時に農家直送南高梅の梅干し(110円)1粒と

紀州産うつぼ甘辛煮(200円)を通した。

 

朝引き軍鶏のレバー炙りに惹かれたが

先刻のモッツーニが未消化につき、とても食えない。

軍鶏は藁焼き、焼き鳥は炭火の由、エラいな。

昼は豚汁専門店「南魚沼食堂」となる二毛作だ。

 

つまみの梅干しはよかったが、うつぼが最悪だった。

ヒドく生臭く、おまけに硬くてカチンコチン。

20片ほどあるうち、1片つまんでギヴアップ。

およそ人類が口にする代物じゃないネ。

生をさらに1杯飲み、会計は1530円也。

 

南口に回って中野マルイ地下へ。

鮮魚売り場で岩手産キンキの湯引きを見つけた。

薄紅色の皮目に魅せられて購入する。

帰宅後、半分をポン酢、残りをわさび醤油で味わう。

大変に滋味深く、菊正の樽酒を

つい、飲み過ぎちまいやしたとサ。

 

「四代目 鎌倉酒店 中野北店」

 東京都中野区中野5-35-8

 03-3228-7076