2022年4月11日月曜日

第2990話 コチ刺しいいが チャイナにゃ困る (その2)

以前は池袋北口と呼ばれた一画。

現在は西口の片隅という位置づけらしい。

焼きとん「三福」のカウンターに独り。

 

先刻から気になっていたのは

座る椅子と背後の壁との間が狭いため、

お運びさんがうしろを通るたびに

腰だか尻だか背中をつつくんだ。

 

まだ空いてて、さほど頻繁じゃないがネ。

しかし、16時を回ると客足が伸び出した。

同時に小姐がもう一人出勤してきた。

彼女たちの会話も往き来も盛んになる。

 

それはそうと、モツ焼きを前にしながら

コチを追注してしまった。

これにて売切れにつき、正解だったんだが

 

コチ刺しやモツもあるのに無分別

 

芭蕉のあの一句、“河豚と鯛”が頭をよぎる。

串を食べ終わらぬうちにコチ参上。

ここで2本目のビールとデンキブランを―。

 

コチは薄目に引かれ、薄造りと刺身の間くらい。

紅葉おろし・青小ねぎ・紅たでの薬味

これをポン酢でいただくが

生醤油&似非わさびよりずっといい。

 

カウンターはほぼ満席となり、

右隣りのオジさんが寄席のパンフレット、

左のニイさんは文庫本を晩酌の友としている。

 

おっと、アブナいなァ、また背中にぶつかった。

手にしたデンキがこぼれそうだヨ。

かまびすしい中国語もさることながら

つつかれたり、こすられたりするのが煩わしい。

 

あやっ、艶めかしい歌声が聴こえ始めた。

耳を澄ませば・・・山本リンダじゃないか―。

 

♪   こまっチャイナ 背中をつつかれて

  どうしよう まだまだつつくかしら

  こそばいような 痛いような

  トキドキ当たる あなたの腰  ♪

 

最近は姿を見せないリンダだが

台東区・御徒町に棲んでるらしい。

J.C.のホームグラウンドなのに

出逢うどころか、見かけたことすらない。

ありゃりゃ、再びリンダの声が・・・

 

♪ うわさを信じちゃ いけないよ ♪

 

だよねェ、そうでしょうとも。

 

「三福」

 東京都豊島区西池袋1-27-1

 03-3971-1773