2022年4月26日火曜日

第3001話 ガリ酎 思い出し出し (その2)

市川市・本八幡の大衆酒場「馬越」。
ガリ酎を思い出しながらも
好みに合わない酎ハイにつき、
サッポロ赤星の大瓶を飲んでいる。

つまみは炙り〆さば。
つま大根の代わりに生わかめと
ここにもガリが添えてあった。

カウンターで接客にあたるニイさんは
キビキビとした仕事ぶり。
殊にクリーンナップが得意で
グラスや皿はもとより、
おしぼりの袋まで即座に片づける。
性格なんだネ。

壁に張り出されたドリンクリストに
アカ、そしてキイロというのがあった。
何のこっちゃろ? しばしの思案。
判らないので訊ねると
アカは赤ワイン入り。
キイロは天羽の梅入り。
酎ハイのことだった。

ここにシロが加われば
咲き並ぶチューリップの完成版。
♪ あか しろ きいろ
  どのはな みても きれいだな ♪
ってネ。

何となく流れでキイロをお願い。
さっき高砂で飲んだばかりなのに。
今日はヤケに天の羽が舞い降りてくるな。

つまみをもう1品。
赤ウインナーを追加した。
家で食べる気にはならないが
居酒屋だと、たまに欲しくなる、
不思議な魅力の赤ウインナー。
1人前5本付けで
うち1本はタコの八ちゃんカットだ。

店がだんだん立て込んで来た。
若いカップルも現れた。
これを潮にお勘定は1470円也。

そうだ、4年前に流れた「わさび」に寄ろう。
彼女は常連だったから
何か消息がつかめるかもしれない。
すると、そば居酒屋「わさび」は閉業した様子。
おそらくコロ助に討ち取られたのだろう、無念。

さすれば、もうこの街に用はない。
今度は京成八幡ではなく、
JRと都営新宿線が乗り入れる、
本八幡駅にやって来た。
さて、どちらにしようかな?

「馬越」
 千葉県市川市南八幡3-2-7
 047-379-0320