2022年4月28日木曜日

第3003話 「こうもり」に誘われて

昨秋、アパレル関係の友人に紹介された、
S田サンよりお誘いあり。
銀座ブロッサムでの喜歌劇「こうもり」上映会。
快諾に及んだ。

ワルツ王、ヨハン・シュトラウス2世の
代表作「こうもり」の映画版は
監督オットー・シェンク。
彼が演出したオペラはNYのメトで何本も観た。
指揮はカール・ベーム、演奏がウィーン・フィル。
1972年の作品である。

実はこの「こうもり」。
1986年にカルロス・クライバーが振った、
バイエルン国立歌劇場の実況版に魅了された。
序曲がすばらしい。

あれほど華麗な指揮者ぶりはほかに知らない。
オペラの童貞をシャブ漬けにしたのは
「吉野家」ならぬ、カルロスだった。
YouTubeで試聴できるのでご覧いただきたい。

映画も楽しめた。
偉大な指揮者・ベームには申し訳ないが
どうしてもクライバーと比較してしまう。

主役・アイゼンシュタインは映画も実況版も
ともにハマリ役のエバハルト・ヴェヒター。
演出もともにシェンク。
今日の映画では彼が刑務所の看守役。
大いにに笑わせてくれた。

終映は15時半。
中途半端な時間につき、選択肢は狭まる。
洋食or居酒屋でお伺いを立てると
意外にも酒場を選択された。
普段行く機会に恵まれないのがその理由。

有楽町の「きたぎん!」へ。
サッポロ黒ラベルのジョッキを合わせ、
いつもの山わさび涙巻きを2本通した。
注文は任せると言われ、
ホッケ刺し、蟹焼売、ひこま豚もつ煮込み。
道産のオンパレードだ。

生ビから樽生スパークリングに移行する。
珍しいホッケ刺しは水っぽいかなと
思った通りに水っぽかった。
脂のノリがほど良く食味はいいんだけどネ。

男山の本醸造をもらい、生醤油で割って
即席漬けにしてみた。
すると徐々に水分が抜け、うま味が凝縮してきた。
「ずいぶん美味しくなるものなんですネ」ー
S田サンがつぶやく。

そうですとも。
だんだんよくなるホッケの刺身、ってネ。
おあとがよろしいようでー。

「道産酒場 きたぎん!」
 東京都千代田区有楽町2-1-7
 03-6205-8887