2022年4月22日金曜日

第2999話 焼きそば食べない 焼きそば屋

谷中銀座の夕焼けだんだんを上り、
御殿坂を下って日暮里駅に来た。
乗る路線は三択。
この時間は京浜東北が停車しないので
山手・京成・舎人ライナーだ。

アテもなく京成を選択し、高砂駅下車。
此処は柴又を通過する金町線、
いわゆる盲腸線の起点である。
改札を出てほどなく立ち飲み酒場に遭遇。
「やきそば 和」なる店だった。

ビールはドライのレギュラー缶(300円)。。
やさしくグラスに注いでイッキ飲み。
壁の品書きをながめると、
立ち飲みにしてはつまみが豊富である。

しばらく見ているうちに理由が判った。
焼きそば用の鉄板が
ミニお好み焼き、ベーコンエッグ、
肉野菜炒めなどに活用されるからだ。

店の名物、ぼっかけ(300円)を通す。
牛すじとコンニャクの煮込みだが
ヒタヒタの煮汁にどちらも賽の目切り。
よってティースプーンが添えられる。
焼きそばのトッピングにもなる、
ぼっかけは軽食を好む呑み助にピッタリだ。

缶ビールのお替わりに野菜炒め(300円)をー。
すると、これが町中華の一品料理並みで
味はけっこうなれど、少々持て余し気味。
焼きそば屋に来といて、焼きそばはやめとく。
これからあと2軒は回るからネ。

カウンターに下町酎ハイの風味付けに
使用される天羽の梅が3種類並んでる。
梅、ぶどう、もう1種は何だったけかな?
酎ハイをお願いし、すべて試したが
やはりポピュラーな梅がよかった。

常連とみられるオニジさんが来店し、
J.C.の右隣りにポジションをとった。
オニジさんはオニイさんとオジさんの中間。
ちなみに女性形はオネバさん。

ホッピーを飲みながら店主と談笑している。
これを潮にお勘定は1500円也。
飲みもの3杯につまみが2品。
単価は揃って300円だ。

「ごちそうさま」
「ありがとうございました」
「お疲れさまです」
最後の一言はオニジさんである。

「あっ、どうも、お先にー」
言葉を返したが
もっと早く声掛けしてくれれば
会話を楽しみながら
あと1~2杯は飲んだのにー。

「やきそば 和」
 東京都葛飾区高砂5-36-10
 080-2037-2698