2022年5月13日金曜日

第3014話 カルダモンがあるんだもん

京成押上線の立石に来た。
呑ん兵衛オヤジのメッカなのに数年ぶりだ。
時刻は13時。
さっそく呑んべ横丁の様子を見にー。

再開発で余命いくばくもないハズだが
いったい何時(いつ)になったら始まるんだい?
一向に気配がないぜ。
西東京と違い、都の東は呑ん気なもんだ。
いっそ、呑んき横丁でも作ってくれんかネ。

狭い町内をしらみ潰しに歩き回るも
止まり木が見つからん。
「宇ち多゛」も「ゑびす」も休みと来てやがる。
救いの手を差し伸べてくれたのは
「2代目温故知新」だった。

あれは4年前。
のみともと隣り駅の四ツ木で落ち合う前に
独り0次会を試みたが今日と同じ憂き目。
結局、「温故知新」に駆け込んだのサ。
でも、あのときは”2代目”なんて
付いてなかったけどな。

生はプレモル、中瓶は赤星ときちゃ、
当然、レッドスター。
焼き鳥のハツを塩、白レバーをたれで頼むと
ハツは売切れだった。
前回も白レバーを食べた記憶があるが
今回のほうが格段に好い。

オススメに従い、天使の海老を2尾通した。
身は刺身で供され、カブトは素揚げ。
車海老とアルゼンチン赤海老の中間てな感じ。
名前の由来は”天国に一番近い島”、
ニューカレドニアで養殖されているから。

目の前のカウンターに焼酎の一升瓶が
ズラリ並んでおり、その中に
スパイス焼酎 CARDAMON
TAKE 7  WHITESNAKE
なんてのがあった。
熊本県・球磨郡産なら米焼酎に相違ない。
カルダモンで風味付けしたものだろう。

瓶を手に取ってラベルをチェックする。
製造を7回試みてやっと成功し、
そのとき工場に白い蛇が現れたという。
にわかに信じられない話、というより、
オルモスト・まゆ唾だネ、これはー。

しかし、カルダモン好きは看過できなかった。
すると・・・う~ん、確かに香るけどねェ。
このスパイスはやはりインドカレーでしょう。
つい、頼んじまったじゃないかー。
だって、こんなのあるんだもん。

すかさず島倉千代子が歌い出す。

♪  だって だって 私は
  恋しているんだもん ♪

「2代目温故知新」
 東京都葛飾区立石7-2-4
 03-3695-5251