2022年5月27日金曜日

第3024話 ポルトガルの三択ランチ (その3)

銀座の「ヴィラモウラ」での昼食。

マデイラのビール、コラルはすっきりさわやか。

フランス・イタリア・スペインなど

ラテン系諸国のビールはほとんどこのタイプ。

好みに合っている。

 

初めにサーヴされたサラダに存在感があった。

ロメインレタス・ラディッキオ(日本ではトレヴィス)・

赤大根・ごぼうマリネと盛りだくさんで

ドレッシングはフレンチ。

ケチ臭くないところがエラい。

 

バゲットもいい感じだ。

女性に人気の理由は

サラダとバゲットにもあろう。

小鳥のエサみたいな野菜とパンを

平気で出す店が少なくないなか、

好評価を与えたい。

 

フェイジョーダは豚肉たっぷり。

2種の豆にじゃが芋とにんじんも。

かつてアルゼンチンを訪れたが

ブラジルに行きそびれたJ.C.

この国民食をNYで何度か食べた。

 

当地のものは黒豆を使うため、見た目が黒っぽい。

当店の豆は白と茶色で皿全体の色合いが薄褐色。

肉は豚のみだが、相当投入されている。

本場のように耳や鼻など、

放るモンは使われていない。

 

一般的な日本人の口には

あまり合わないフェイジョながら

ポルトガル風はずっとマイルド。

相方ともども美味しくいただいた。

 

途中でプレートを交換したバカリャウは。

タラがいない地中海沿岸の国々で人気の食材、

干しタラのことである。

 

やはりタラの獲れない京都で

棒だらが好まれるのと同じだ。

タラの姿はほとんど見えぬが風味は立ち上り、

ポテトもホクホクと、最後まで冷めない。

 

ちなみに店名の「ヴィラモウラ」は

ポルトガル南部のマリーナ・リゾート。

此処からなら海原はるか、

マデイラ諸島が臨めるのではなかろうか―。

 

=おしまい=

 

「ヴィラモウラ 銀座本店」

 東京都中央区銀座6-2-3

ダイワ銀座アネクスB1

 03-5537-3513