2022年12月7日水曜日

第3162話 アナタハンの女王蜂

青い花びらが静かに散りました。
よって次は決勝戦の観戦記をお送りします。
ブラヴォー!消え去り、アーメン!

てなこって坂を下り、九段下の昭和館。
懐かしのニュースシアターに直行の巻である。
今週、どうしても観ておきたいニュースが一つあった。

読者のみなさんは
アナタハン島事件をご存じでしょうか?
世にも奇怪な物語(実話)であります。

アナタハン島は硫黄島の南1000km。
サイパン島の北120km。
マリアナ諸島の小島である。
太平洋戦争末期、事件はこの島を舞台に起こった。

当時、島には沖縄出身の漁夫を中心に31人の男と
たった一人の女性、
南陽興発社員の妻・比嘉和子が暮らしていた。
出張中の和子の夫はサイパン島陥落後、
拡がる戦火に島へ戻れぬ状況下にあった。

女1人に男が32人。
どうなるるのか、火を見るより明らかだ。
怪死や失踪が立て続けに起こった。
ただし、和子は凌辱されるでもなく、
女王蜂として小さなコミュニティを差配したが
のちに身の危険を感じ、独り米軍に投降する。

1951年、生き残った者が帰国すると
列島はこの話題に席巻される。
あまり娯楽のない国民は猟奇的にして
スキャンダラスな話題に飢えていたのだ。
詳細はウィキペディアを探って下さい。
比嘉和子自身の写真まで掲載されてます。

観終わってガス補給に赴いたのは新宿三丁目。
昭和の昔に懐かしみを覚え、「長野屋」の暖簾を潜る。
昭和どころか、大正4年の創業である。
一番搾り大瓶、たら子ちょい焼き(450円)を通す。
すじ子も同値だが、すじ子はハズすとヤバい。
生臭くてどうにもならなくなるため、避けた。

フロアには着物姿の若い女性と年期の入った年配女性。
着物のほうは心配り、気働きに加え、
言葉に如才なく、愛想もよろしい。
あとで訊いたら娘、年配が母親だった。
父親も健在で娘の兄ともども厨房を仕切っている。

写真入りメニューに
写真と実物が異なる場合がございます”
の但し書き。
ハハハ、食堂だから許されるけど
見合い写真だったら一大事だぜ。

レモンサワーを2杯いただき、
お勘定は1970円。
さて、還るとしましょうかの。
ほろ酔い歩きの鼻歌交じり。

♪   新宿はみなと町
  はぐれ者たちが 生きる辛さ
  忘れて酒を くみかわす町 ♪

なんか最近、新宿が多いよネ。

「食堂 長野屋」
 東京都新宿区新宿3-35-7
 03-3352-3927