2022年12月22日木曜日

第3173話 名前に似合わぬ いかついカレー

カレーが食べたくなって
かねてより狙っていた店に赴く。
ところは原宿、わっれわれオッサンは
オフリミットの竹下通り、そのすぐそばにある。

「みのりんご」は名前が可愛いのと
名代のチーズトッピングがインスタ映えするのとで
若い娘たちに絶大な人気を誇っているそうな。
場違いは百も承知の上、挑んでみた。

おや、おや、花咲く乙女たちも居るには居るが
オッサンも数人、中にはJ.C.と同年配の姿さえ。
10数席のカウンターと2人掛け1卓。
8割方が埋まっている。
オジさんと娘(親子ではなさそう)のツーオペだ。

カレーの品揃えはかくの如し。
キーマカレー<中辛>
チキンカレー<甘口>
ポークカレー<辛口> 以上1000円
ビーフカレー<激辛>   1100円
みのりんごスペシャル   1400円
キーマチーズ       1200円
トマトキーマチーズ    1500円
スペシャルはキーマとチキンの合い盛り。

豚肉好きにつき、迷わずポークまっしぐら。
ドリンクセットはドリンクに加え、サラダが付く。
中生だと+600円、大生なら+800円。
もちろん大、銘柄はハイネケン。
ビール単品も同値だから
サラダのぶんがお得になる寸法だ。

ジョッキではなく
ハイネケンのロゴ入りグラスが来た。
おう、確かにデカいネ、看板にいつわりナシ。
どこにでもありがちな小サラダは
グラノーラのトッピングが効果的。
食感の変化に一役買っていた。

「熱いから気を付けてください」ー 
オジさんがカウンターにドンと両手で置いた、
ポークカレーは迫力満点。
皿もデカいが豚肉もデカい。
200g近くありそうな骨付きチョップである。

問題はキツい塩気。
スパイスもクローヴが主張して
カレーの生命線とも言える、
カルダモンの香りがしない。
大胆であるがゆえに繊細さに欠けた。

若いコが好んでチーズキーマを
食べる理由が何となく判った、
可愛い店名とは裏腹に何ともいかついカレーだ。
奮闘努力空しく、皿には骨と肉が残ったのでした。

骨肉や 敢え無く残る 夢の跡

「みのりんご」
 東京都渋谷区神宮南1-22-7
 03-6447-2414