2022年12月15日木曜日

第3168話 時代(とき)が止まったよな酒場 (その2)

そう、久保田万太郎の命を奪ったのは
1カンのにぎり鮨だった。
鮨種は赤貝である。

その夕べ、洋画家・梅原龍三郎宅(新宿区・市谷)にて
催された宴席で普段は噛みにくいからと
口にしなかった赤貝のにぎり鮨を
他のメンバーの手前、無理して頬張った。

咀嚼はしたのだろうがノドに詰まらせ、
その場でどうにか吐き出せばよいものを
がまんしてトイレに駆け込む途中、絶命に及ぶ。

赤貝や いのちのはての みちづれに

そんなことを思い浮かべながら
4片の赤貝をつまんだ。
ここで酎ハイに移行する。
夜の帳が落ちるとともに客足が伸びてきた。

立て込むというほどでないのは
駅から遠いせいだろう。
「伊勢周」は新小岩と船堀の間にあり、
船堀からならバスで2ストップだ。

焼きとんのレバーを2本タレで焼いてもらった。
お前はしょっちゅう豚レバー食ってるな、ってか?
ハイ、仰せの通りです。

理由はいろいろあって、旨い、安い、早いに加え、
一品料理より絶対量が少なくて済む。
そして肝臓に負担のかかる酒飲みにさやさしい。
言わば、ポークレバー・フォー・マイレバーなのだ。

J.C.は肝臓のためにウコンも欠かさない。
摂取するサプリメントはほかに亜鉛。
こちらは味覚の劣化を防ぐため。
それに老化の速度を緩めてくれている気もする。
ウコン&亜鉛には
20年以上お世話になっているのだ。

一人の客がウーロンハイを通した。
ウーロンハイかァ・・・何年も飲んでないなァ。
「こっちもウーロンハイ下さい!」
懐かしみを覚えた。

ところで炭酸を使わずに何故、
ウーロンハイと呼ぶのだろう?
ハイはハイボールのハイだから
炭酸はマストのハズだがなァ。

腑に落ちないけど、まっ、いいかー。
時代(とき)が止まったよな酒場で
ぼんやり思ったことでした。

「伊勢周」
 東京都江戸川区松江3-3-4
 03-3651-6013