2024年7月10日水曜日

第3576話 小伝馬町の蛤だし

最近、蛤・浅利・蜆などを使用した、
貝だしラーメンをよく見かける。
日本橋小伝馬町に柚子の香る、
蛤だしラーメンの美味しい店があると聞き、
出掛けていった。

小伝馬町はかつてよく通った町である。
NYから帰国した当初、
台東区・柳橋を住まいとしたが
勤め先の中央区・日本橋本町へよく歩いた。
柳橋→浅草橋→馬喰町→小伝馬町→本町
てな道筋だった。

江戸時代に伝馬町牢屋敷のあったところで
明治維新の精神的指導者、
吉田松陰は此処で刑死している。
高野長英も投獄されたが火災のどさくさで逃亡。
のちに捕縛される際、自刃して果てた。
牢屋の跡地は現在、十思公園になっている。

それはさておき、
小伝馬町交差点にほど近い「はま家」。
人形町通りの向こう側は十思公園だ。

察するに「はま家」の ”はま” は
蛤の ”はま” なのだろう。
間違っても「芸能人格付けチェック」や
「プレパト」の浜ちゃんではあるまい。

店先に順番待ちが3人。
10分と待たずに入店できた。
L字カウンター8席のみである。
事前に決めておいた蛤のゆず塩そばを通す。

さて、ビールはとー。
おや? カールバーグの小瓶じゃないかー。
北欧系のビールは押しなべて
ちょいと頼りないところがあるけれど
わりと好きなほうである。

麺は細打ちストレート。
塩スープにはけっこう油が浮いている。
どんぶりを彩る具材は
叉焼よりローストポークと呼ぶのが
ふさわしそうな1枚。
姫皮シナチクと青しそオイル、
お茶漬け用のぶぶあられに
サラダほうれん草が2本だ。

スープに貝だしの味わいがあったが
ゆずはいっこうに香ってくれなかった。
まずまず美味しいラーメンながら
それ以上のものではまったくない。

ついでだから以前通ったオフィスビルに
立ち寄ってみたものの、
感ずるものはまったくありませんでした。
まっ、そりゃそうだよネ。

「拉麺 はま家」
 東京都中央区日本橋小伝馬町8-5
 電話:ナシ