2024年7月29日月曜日

第3589話 三業通りの「小倉庵」

東上野「小倉庵」からのつながりで
ここ2カ月ほどなじみとなった、
南大塚「小倉庵」を再度紹介したい。
所在地は大塚三業通りだ。

かつて大塚は隣りの大繁華街、
池袋をしのぐほどに隆盛を極めた三業地。
三業は言わずと知れた、
料理屋・待合・芸者置屋を指す。

初回の桜海老かき揚げ(450円)で味を占め、
通い始めたが当店のもう一つの魅力は
月替わりの変わりそば(800円)である。
そばの実の芯を使った更科粉に
さまざまなエキスや粉末を練り込み、
打ち上げるのが変わりそば。

5月は抹茶切りだったので
茶そばをあまり好まないためスルー。
6月のけし切りで香りと食感を楽しみ、
7月の梅干し切りでは
ほのかな酸味を味わった。
来月のだだ茶豆切りにも期待を寄せている。

第3553話 痩せても枯れても桜海老
で書いた通り、
近所の「そば処 小倉庵」ともども2010年に
訪れたものの、両者の関係は定かでなかった。
なじみとなり、接客のオネバさんに訊ねた。

「大塚銀座の『小倉庵』さんとは縁戚関係?」
「いいえ、どちらも山吹町に
 あったお店の暖簾分けなんです」
「ああ、そうだったんですネ。
 じゃあ、ライバル同士で仲が悪いとか?」
「ホホホ、いいえ、会合なんかでも
 一緒になって仲良くしています」
「そりゃ良かった、心配しちゃってー」
「ホホ、これからもよろしくお願いします」
こんなやり取りがあったのでした。

かつ煮好きJ.C.の推しはミニカツ丼。
フルポーションのカツ煮だと持て余し気味。
ミニ丼のごはんは要らないくらいだが
アタマの分目がビールにピッタリ。
逆に避けたいのはミニイクラ丼(700円)で
イクラは高価なため、仕方ないけど
絶対量があまりに少ない。
それを補う鮭のほぐし身は有難迷惑だ。

生粉打ち(細切り十割)、
田舎そば(太打ち十割)、
あいもり(上記の半々)はオール800円。
すべていただいたが当店の最強タッグは
変わりそば+ミニカツ丼に尽きまする。

「小倉庵」
 東京都豊島区南大塚1-42-8
 03-3941-8230