2024年7月16日火曜日

第3580話 こんな中華を探してた

PCをいじくっていてたまたま見つけた、
「ゆずのたね」なる中国料理店。
何が気に入ったのかって、
安いつまみ類が実に豊富なのだ。

安さはもちろんありがたいけれど
値段から察するにサイズが小さいだろう。
コレが何ともありがたや。
守屋浩の歌声が聞こえ始めたが
浪花の小姑が黙っちゃいまい。
ここは自重しときましょう。

所在地はメトロ丸ノ内線・新中野駅そば。
フットワークの軽いJ.C.、翌日には訪れた。
鍋屋横丁のちょい先に店舗はあった。
おや? 和風の佇まいに見覚えがあるゾ。
もう20年以上も前だったと思う。
店先を通りすがったことがある。

開業してまだ5年、
その前は焼き鳥屋だったと聞いた。
カウンターに促され、赤星中瓶を通す。
最初の注文は赤エビの紹興酒漬け(350円)、
白菜のピリ辛甘酢(100円)、
芳醇白レバーの赤酒漬け(350円)。

このうちでは白レバーが最高だった。
レバーだけでなくハートも2個あった。
焼きとんはレバ好きなんだが
焼き鳥となるとハツを好むJ.C.、
意想外の幸運に舌鼓をポンポン。

赤星をお替わりしながら
<本日のおすすめ>より、
名物! 特大しじみの台湾風醤油漬け(680円)。
産地は台湾ではなく三重県・桑名とのこと。
その手は桑名の焼き蛤だがなァ。
いや、このしじみははまぐりサイズであった。

そうしておいて締めの一品は
鮮魚の強火蒸し広東スタイル(680円)。
接客の娘(コ)に魚種を訊ねたら
厨房の店主が振り返って黒鯛との仰せ。
ハタ類なら文句無しだが値段が値段、
黒鯛に異存のあるハズもない。

サカナの下に絹ごし豆腐が敷かれ、
刻みねぎに香菜(シャンツァイ)が1片。
本場で清蒸(チンチェン)と呼ばれるスタイルは
中国人が最も愛する鮮魚料理である。

3760円の会計時に店主と言葉を交わす。
「お近くですか?」
「いや、文京区から」
「エッ? 文京区はどちらで?」
「千駄木だけど・・・」
「エッ? それじゃ『天外天』ご存じですか?」
「ハハ、ウチの向かいなんで何度も行ったヨ」
「エエ~ッ! 私『天外天』で働いてました」
「エエ~ッ! そうだったの?」
会話は続いたけれど、お時間がよろしいようでー。

「ゆずのたね」
 東京都中野区中央3-34-1
 050-1142-5020