2011年11月17日木曜日

第186話 和・洋・中を制覇した日 (その2)

いい歳こいたオジさん・オバさんが
恥ずかしげもなく徒党を組んで
地元の人々の迷惑をよそに
ゾロゾロと大隈通り商店街を連なり歩き、
くだんの「まほうつかいのでし」にご到着でござ~い!

供するものはピッツァ(というよりピザ)とスパゲッティだけ。
アンティパストをつまみながら
ビッラやヴィーノのグラスを傾けるという店ではないのだ。
一応、ビールとワインの取り揃えはあるものの、
他の酒類はいっさい置かない。
ほかにはサラダくらいしかなかった。
小鳥じゃあるまいし、生の菜っ葉だけじゃ飲めんもんな。

そこで予約の際に鴨スモークのサラダ、
チキンとブロッコリーのトマト煮を用意してもらった。
あとは3種(小海老・サラミ・ベーコン)の具が乗ったピザ。
非イタリア系というか、和風アレンジ版というか、
こんなピザもたまにはいいもんである。
昔、喫茶店やビヤホールにあったようなヤツだ。
今でもあるところにはあるだろう。

明るいうちのでワインは回避し、
もっぱらビールでお茶を濁したわけだが
どうせ1軒じゃ終わらないわれわれ、
このくらいでちょうどよいのサ。

そうして向かった2軒目は
目白台・千登勢橋のたもとにポツンとある中華料理屋。
この橋の名前を聞きゃあ、なんつったって
西島三重子の、その名も「千登勢橋」が思い浮かぶ。

♪   電車と車が並んで走る それを見下ろす橋の上
   千登勢橋から落とした 白いハンカチが
   ヒラヒラ風に舞って 飛んで行ったのは
   あなたがそっとサヨナラを つぶいた時でしたね ♪
                                               (作詞:門谷憲二)

西島三重子は橋の近所の川村学園出身。
この人は生き別れにしろ、死に別れにしろ、
とにかくしょっちゅう男と別れている、いや、棄てられている。
もっとも歌詞上でのハナシですがネ。

料理屋の名前は「熱烈上海食堂」。
これを聞いただけでもうイヤ、絶対に入りたくない。
でも界隈に縁の深い K木夫妻が太鼓判を押す以上、
いかな J.C.とて却下することなどできやしない。

くらげの冷製、真鯛の中華風刺身を紹興酒の友とすると、
さすがに夫妻が推すだけのことはあった。
続いて、わたり蟹の豆鼓炒め、はまぐりのオイスターソース、
五目あんかけ焼きそばも賞味したがみな水準に達している。

そば屋・イタめし屋・中華屋と
本日は一日で和・洋・中をオール制覇した。
余は満足であるぞよ。

「まほうつかいのでし」
東京都新宿区西早稲田1-9-12
03-3207-1876

「熱烈上海食堂」
東京都豊島区高田2-17-16
03-3987-0720